大学教授のトリセツ【実践編】転身前に知るべき「4つの実態」、シビアな業績至上主義と狭き門を突破する秘訣&年収事情

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その論文を、学会員の教授たちが匿名で査読を行い、学会誌掲載の可否を判定する。掲載可となれば、その論文が専門家のお墨付きをもらったことになる。これが「査読論文」としてカウントされる。

さらに複数の査読論文に磨きをかけて書き加えたものが学術書である。それも、ほかの人と書いた共著ではなく、1人で書いた単著がより高く評価される。いくら分厚いハードカバーの本がベストセラーになっても、学術論文の作法に則っていなければ「一般書」と見なされ、評価が低い。ただし、中には学術に貢献する内容であると評価してくれる重鎮の先生もいる。

「教育歴」については、非常勤講師であれば博士の学位がなくても実務経験を生かした教育ができれば採用される場合があり、教育経験を積む入り口としては有効だ。企業に勤めながら非常勤講師を務める場合は、副業規定に触れるかどうかを会社側に確認しておいたほうが、後々でトラブルにならない。

これら2点が、採用の際に、履歴書、業績リストとともに提出する必須資料となる。

学術論文執筆に至るまでの険しい道のり

教授、准教授、講師のどの職位を希望するのか、または大学によって、提出すべき学術書、研究論文の本数も異なる。最近は、電子化されPDFによる送付方法が指定されているが、「PDF化できない業績(書籍など)については書類提出先に各3部郵送すること」とただし書きが書かれていることが多い。実物と電子データを常時更新し保存管理しておいたほうがいい。

日常の業務をこなしながら、大学院に通い、学術論文を書くことになれば、本人が仕事と研究を両立するというストイックな生活を継続しなくてはならない。それには、家族の理解も必要である。

筆者は現在、神戸大学大学院でMBAの修士論文(専門職学位論文)の中から優秀な作品を選考し表彰する「加護野忠男論文賞」の審査委員を務めている。この大学院の指導は厳しく、学術論文を書き上げ学位を取得するまでに大変努力しなくてはならない。

同授賞式では、家族が同席し、記念写真を撮る姿が見られる。小学生くらいの子どもを連れて参加する受賞者もいる。大人になっても学び続ける親の背中を子どもに見せることは、教育的効果が非常に大きい。学び続けることは、大学教員を目指すかどうかにかかわらず、人生を豊かにする。

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