大学教員のトリセツ【基礎編】"華麗なる転身"は幻? 「2026年問題」と定員割れにあえぐ《大学業界》の残酷な現実

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この打開策もまた、インバウンド客と留学生は似通っている。顧客1人当たり売り上げの増加と顧客の多様化である。

教員にとって「顧客の多様化」は、教える言語や文化への配慮、さらには生活指導の負担増を意味する。実務家教員であっても、現場ではこうした市場変化に対応する覚悟が求められる。

観光のインバウンド客増加には、日本の国際的な存在感を高める利点がある一方、オーバーツーリズムといった問題も生じている。大学での留学生受け入れ拡大についても評価は分かれる。

賛成する人々は、日本人学生が留学生との交流を通じて多様な価値観に触れられる点を評価する。一方、反対する人々は、留学生の増加が移民拡大につながる可能性や、彼らの支援に税金が使われることを懸念している。

不況産業なのに転身者が後を絶たない理由

企業社会では、構造不況産業に就職・転職しようとする人はなかなかいないだろう。ところが、大学への転身を考えている人の心は少しばかり違うようだ。

長年続いてきた大学という制度への過剰な信頼感と、日常の平穏を基準に今日も明日も変わらないだろうと受け止めてしまう正常性バイアスが重なり、危機が目前に迫っていてもどこか遠い出来事のように思えてしまうのではないか。

大学は長い間、研究者中心の組織として成り立ってきた。大学教員といえば、大学の学部を卒業した後、大学院博士前期課程で修士を取得し、博士後期課程まで進み博士を取得。研究者として大学で教育業務に携わりながら、研究業績を積み上げていく研究者を意味していた。

もちろん、今も「研究者」が大学の主役であることに変わりはないが、取り巻く環境が激変。大学進学率が上昇し続け、大衆化を超え、ユニバーサル化した。これに伴い、学生の資質や学習目的は多様化してきた。研究者が研究の延長で授業を行うだけでは、学生のニーズに応えきれないのでないかと問題提起されるようになった。

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