ジャカルタで20年「東急の中古電車」輸出の舞台裏 全盛期はまるで「インドネシア版田園都市線」だった
――2019年の春先には、インドネシアのメンテナンス現場の職員十数人が長津田工場で研修していたと思います。8500系の追加輸出をにらんだものかと思っていました。
門田:2019年3月から4月にかけて、16人を受け入れた。当時は8500系の最後の全般検査ぐらいの時期だったが、台車、ブレーキ、電気など4チームに分かれて2週間びっしりついてもらった。そこでも東急建設のサポートがあり、4チーム全部に通訳も入れてもらった。終了時には「8500系点検のスペシャリスト合格証」みたいなものを手作りしてお渡しした。そこまでやったんですが……。
コロナ禍がなければ「追加輸出」も?
――東急で本格的な研修をやっているとインドネシア側関係者に聞いていたので、次は車両の追加輸出かなと期待していたのですが。
門田:実は、追加で8500系の中古車約200両をインドネシア側が受け入れるにあたって、そのための教育をしてほしいというオーダーが入っており、それで研修をやりましょうということになった。
田園都市線に新車の2020系を入れるので、置き換えられる8500系が200数十両出ますよという活動は2016~17年ぐらいから行っていて、それで研修をやったり、作業手順書を英訳したものを渡してあげたりしていて、インドネシアの皆さんもとても喜ばれていた。
これでもういけそうだなというとき、2020年の2月だったが、現地の役所3つのうち2カ所の方が来られて、あと1つそろえばゴールというときコロナ禍に突入してしまった。状況が厳しいので延期しませんかという話になったまま来られなくなり、われわれも新車はどんどん入れなければいけないので、退役した8500系を置いておける場所もなく、廃車せざるをえなくなってしまった。それで現在に至るという状況だ。
――コロナ禍さえなければ、別の未来があったかもしれないですね。
太田:そうかもしれない。でも、ジャカルタに行くと本当にインドネシアの国力が上がってきていることを実感する。新車を入れればいいと思うのもわかる。中古車両輸出もあればやってもいいと思うが、今後は東急型の街づくりを海外に輸出するというような話になってくるのではないか。




















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