「歳だから仕方ない…」と放置はキケンな《難聴と認知症》の意外な関係 予防のために40〜50代からできること

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また補聴器のハードルを上げているのが価格である。最近は個々の聞こえの程度に合わせ、コンピュータ制御で必要な音だけを大きくできる。自然な聞こえ方に近づいているということだ。

しかしこのタイプでは価格もそれなりにする。一般的には片耳10万〜30万円とされており、もっと機能の高いものの場合は50万円以上することもある。なお、耳は左右でバランスを取って機能しているため、片耳だけが悪い場合でも、両耳で装着することが推奨されている。

補聴器が高い理由

補聴器が高い理由としてはいろいろあるが、一つには、購入後の聞こえ方の調整や定期的なケアの料金も購入料金に含まれているためだ。また、補聴器の調整は民間の技能者が行うもので、保険診療にも含まれていない。

このことは業界の課題でもあり、日本では現在、補聴器選びを相談できる「補聴器相談医」や、補聴器に関する診療を行う「適合判定医」の制度が設けられており、認定医のもとでは保険診療で受診できる。

数は少ないが、販売店によっては、月に数千円から1万円程度のリース契約を設けているところもある。これぐらいなら、補聴器がどんなものかを知るために試してみるといったこともできるだろう。

また、補助を出す自治体も増えてきている。18歳以上を対象とした補聴器購入費助成制度を実施している自治体は全国自治体1747のうち390。限度額は1万円から約14万円となっている(日本補聴器販売店協会調べ、2024年12月時点)。

聴覚を補う装置として、テレビCMなどでは1万円程度の商品が紹介されていることがあるが、これは補聴器ではなく「集音器」。単純に音を増幅させるものなので、不必要な音も大きく聞こえてしまう。加齢性の難聴には不向きだ。

以上説明してきたように、聞こえにくさを感じた時に「年だから」と放置すると認知症のリスクが上がってしまう。さまざまな課題が残されているとは言え、補聴器が利用しやすい環境の整備も進みつつある。

ただ、やはり一度失われた聴覚は戻らず、補聴器も完全に補うまでには至っていない。

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