「歳だから仕方ない…」と放置はキケンな《難聴と認知症》の意外な関係 予防のために40〜50代からできること
難聴が認知症のリスクを高める理由として、2つの仮説が立てられているという。
脳はさまざまな作業を行っているが、その処理キャパシティには制限がある。聞こえにくいことで聴覚処理に多くの負担がかかってしまい、物事を認知する作業に使えるリソースが足りなくなってしまい、認知力が低くなるというのが認知負荷仮説だ。
歩行中に話しかけると立ち止まってしまうなど、2つのことを同時にできない高齢者は、その半年以内に8割が転倒する、という報告がある。これに関連して、水の入ったコップを持って歩き、さらに色文字の意味と色を識別するというトリプルタスクも含めて、いろいろな条件を試した。
その結果、聞こえ方が正常なグループに対して、聴力が落ちている人ほどパフォーマンスが落ちることがわかった。
難聴になるとコミュニケーションに支障を来し、社会活動が低下する。使われなくなると脳は萎縮してしまう。また耳からの音声情報が減ること自体も脳の活動低下の原因になる。
難聴が原因になって起こることが、直接的、間接的に連鎖して段階的に認知機能低下につながっていくので「カスケード(連なった滝)」の表現が用いられている。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会によると、日本の65歳以上の難聴患者は2010年時点で1500万人と推計されており、現在は2000万人を超えるとされている。
歳をとると難聴になる理由
では、歳をとると難聴になってしまうのはなぜなのだろうか。
一つには、耳の中にある音を脳に伝える細胞「有毛細胞」の機能が低下したり細胞自体が減少したりして、音を正確に脳に届けられなくなるから。頭髪の抜け落ちなどと同様、細胞の老化によるものだ。
「この変化は実は、20代後半あるいは30代前半から、細かい部分で始まっている。一般的に健常者が聞き取れるのは8000ヘルツまでとされている。しかし20代ではモスキートーンと呼ばれる2万ヘルツの高音を聞き取れる」(水足氏)





















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