会田卓司氏も、高市政権の「責任ある積極財政」は、供給力を強化するための投資を増進するもので、インフレ対策であると論じ、利上げについても懐疑的である。
なお、「責任ある積極財政」に対しては、それが財政悪化の懸念による円安や金利の上昇を招くという批判が蔓延している。円安や金利の上昇は、積極財政に対する「市場の警鐘」だというわけだ。
一見するともっともらしいが、しかし、「負債の経済学」という資本主義の原理を理解していない者たちの解説が信用に値するとは思えない。
そもそも、「市場の警鐘」なるものが正しいのかも怪しい。ヴェイグが強調するように、日本のバブル崩壊の前も、リーマンショックの前も、市場は警鐘を鳴らすどころが、逆に投資を煽っていたではないか。
「負債の逆説」を読み解くフレームワーク
このように、本書『世界は負債で回っている』は、アメリカや中国をはじめとする世界経済の激変を理解する上でも、高市政権による「責任ある積極財政」という政策の大転換を評価する上でも、非常に有益な分析のフレームワークを提示している。
「負債の逆説」を解くための野心的かつ実践的な政策提言もある。タイムリーな必読の一冊と言ってよい。
