ルンバが世界最小クラスのロボット掃除機を日本先行投入、経営統合後の再出発で「過剰設計」を改め普及率10%の壁に挑む

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1つ目は、製造委託先だったPICEA(パイシア)との経営統合だ。iRobotは22年にAmazonから約17億ドルでの買収を発表されたが、EU規制当局の反対で24年1月に破談。その後業績が急速に悪化し、25年12月にチャプター11(米連邦破産法11条)を申請した。製造パートナーだったパイシアが全株式を取得し、26年1月に手続きが完了している。引き続きアメリカに本社を置いて事業を展開する。

発表会冒頭でパイシアとの経営統合完了を報告するスライドが映し出された(写真:筆者撮影)

2つ目は、データ保護の体制だ。中国企業の傘下に入ったことで「データは大丈夫か」という問い合わせが多く寄せられたという。これに対し、iRobotはデータ保護のための独立子会社「iRobot Safe」を設立した。日本、アメリカ、欧州のユーザーデータはすべて日本またはアメリカのAWSに保存され、独立した機関が保護する体制を整えた。

データ保護のための独立子会社「iRobot Safe」の設立を説明する山田社長(写真:筆者撮影)

3つ目は、日本市場の業績だ。25年の店頭マーケットシェアは63.1%を維持し、出荷台数も前年比プラス1%で着地した。「いろいろとご心配をおかけした年だったが、日本においては堅調に推移している」と山田社長は述べた。

25年の日本市場の業績を示すスライド。店頭シェア63.1%、出荷台数は前年比プラス1%で着地した(写真:筆者撮影)

コーエンCEOが認めた「過剰設計」への回答

日本のロボット掃除機の普及率は約10%にとどまる。山田社長は普及しない理由として「価格が高い」「自分で掃除したい」「我が家には合わないと思う」の3つを挙げ、価格はサブスクリプションで、掃除意識はマーケティングで対応してきたが、3つ目の壁だけは製品で解決するしかなかったと説明した。

日本でロボット掃除機が普及しない理由として3つの壁を示した(写真:筆者撮影)

ルンバ ミニの開発は、パイシアとの経営統合よりも前に始まっている。山田社長によれば、24年5月に着任したゲイリー・コーエンCEOから日本の普及率を上げる方法を問われ、「大きさです」と答えたのがきっかけだ。コーエンCEOは「大きさなのか。本当に?」と半信半疑だったが、25年に初来日して日本の住宅を視察し、「確かにあんな大きなドック(充電台)を置く場所がない」と納得したという。

山田社長がスライドで紹介したゲイリー・コーエンCEO。24年4月に来日し、日本の住宅環境を視察した(写真:筆者撮影)
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