【投資信託の基本】エコノミストが解説する"4つの利点"と注意点 「派手さや不確かさがあるが、扱い方次第でしっかり意味を持つ」

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上野:その通り。さて、投資信託には4つのメリットがある。1つ目は、少額から投資できること。募集開始時は1万円から買えるし、積立型なら月々100円から始められる。2つ目は、専門家の投資スキルを利用できること。運用の専門家、ファンドマネージャーが代わりに投資先を決めてくれる。3つ目は、分散投資でリスクを軽減できること。多くの銘柄に分けて投資するから、1つの値段が下がっても他でカバーできる。4つ目は、個人では投資しにくい国や地域にも投資できること。新興国の株や欧米の債券など、普段手を出せない対象にも手軽に投資できるんだ。

ミドリ:確かに、少額でできるのは安心だし、プロに任せられるのも心強いね。海外にも投資できるって、ちょっと夢があるな。

投資信託は扱い方が重要

上野:そうだろう。けれど注意点もある。投資信託には目に見えにくいコストがあるんだ。たとえば販売手数料。購入金額の2~3%程度かかるものもある。ただし最近はノーロードといって無料の商品も増えている。次に信託報酬。これは運用や管理の報酬で、資産残高の年0・1~3%程度が毎日自動的に差し引かれる。仮に年1%なら100万円の資産で年間1万円、1日あたり約27円が減っていく計算になる。さらに、一部の商品では解約時に信託財産留保額と呼ばれる費用がかかることもあるんだ。

ミドリ:買ったときにお金が減るってショックだね。しかも少しずつ減っていくのか。

上野:そうなんだ。だから投資信託は「コストを理解すること」が大事なんだ。株を直接買うのと違って、裏で費用がかかる仕組みになっている。投資家にとっては収益を圧迫する要因になるから、必ず事前に確認しておかなければならない。

ミドリ:じゃあ、投資信託を持っていれば必ず増えるの?

上野:そこが重要なんだ。必ずしも増えるとは限らない。投資信託も減ることはある。絶対という言葉は投資の世界にはない。投資信託はあくまで多様な選択肢の一つとして理解すべきなんだ。

ミドリ:うん、確かに。絶対に増えるなんて話はうさんくさいよね。

上野:その通り。投資信託の中には、プロの腕を借りても思ったような成果が出ない場合もあるし、世界的な景気後退が起きれば全体が下がることもある。だから「ワクワクするギフトボックス」ではあるけれど、中身が期待通りとは限らない。しかも〝リボン代〟つまり手数料もしっかり取られる。

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ミドリ:投資信託って、どうやって買うの?

上野:銀行や郵便局、証券会社などで簡単に買える。だから誰でも参加しやすい。ただし、自分の目的やリスク許容度を考えずに買うのは危険だ。少額からでも積み立てていく方法なら、長期でコツコツ資産をつくることもできるが、現金化するときにどうなっているかは市場の変動次第だ。

ミドリ:わかった。投資信託はツリーの下のギフトボックス。少額から参加できて、プロに任せられて、分散もできる。でも必ず増えるわけじゃなくて、減ることもある。国債が一番安全で、投資信託はあくまで選択肢の一つなんだね。

上野:それがわかれば十分だ。投資信託もまた、経済を彩る飾りの一つ。派手さや不確かさがあるが、扱い方次第でしっかり意味を持つんだ。

上野 泰也 マーケットコンシェルジュ代表

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うえの・やすなり / Yasunari Ueno

元・みずほ証券チーフマーケットエコノミスト。質・量・スピードを兼ね備えた機関投資家向けのレポート配信、的確な経済・市場予測で高い評価を得て、「日経公社債情報」エコノミストランキングで2002年から6年連続で第1位、その後身の「日経ヴェリタス」エコノミストランキングで11年、16~21年に第1位。

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