【国債の基本】エコノミストが解説する「国債は安全性が高い」の意味 リスクについても紹介

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

上野:相手はほとんど日本の中なんだよ。銀行や保険会社、年金基金がお金を増やすうえで「安全だから」と国債を買ってくれるし、日本銀行も大量に持っている。個人向け国債もあって、一般の人も買える。つまり、国民のお金(銀行に預けたお金や保険料、年金など)を国が一時的に借りて、国債という約束手形で回しているイメージだ。家計でいえば、巨大なローンを複数に分けて「返しては借りて……」を繰り返して、やりくりしている感じかな。

ミドリ:そんな状況でも、国は信用されているの?

上野:さっき言った徴税権があること、それから、国債が取引される市場が大きく整っていることが大きい。国債は市場参加者が多くていつでも売買でき、値段(利回り)がつきやすい。人が多いフリマほど「相場」がはっきりするのと同じだ。国債市場は巨大だから、相場情報が集まりやすく、誰にとっても基準にしやすい。だからニュースに「国債利回りが上がった・下がった」と出ると、ツリー全体のバランスがわずかに変わるように、経済のあちこちに波が伝わる。

掛け方のバランスを考えるのが一番大事

ミドリ:個人でも国債を買えるの?

本当の自由を手に入れるお金の減らし方
『本当の自由を手に入れるお金の減らし方』(SBクリエイティブ)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

上野:買えるよ。個人向け国債というタイプなら少額(1万円単位)からでも買える。満期や金利の決まり方、途中換金の条件は商品によって違うから、パンフレットをちゃんと読むこと。そして、これは〝すすめている〟わけではないよ。今は性質を知ってもらうために話している。預金と国債、どちらにも利点と注意点があるからね。

ミドリ:うん、理解して自分で選ぶってことだね。

上野:最後に、さっきの3つの軸でもう一度整理しよう。安全性は預金と国債が高い。増え方は一般に国債が預金より上だけれど、インフレが進むとどちらも実質の力は弱くなる。流動性は預金が最上位、国債は市場規模が大きいから高いほうだが、価格変動はある。ツリーでいえば、預金は扱いやすいマットなボール、国債は存在感のある金属の飾り。どちらも全体の安定に効くが、掛け方のバランスを考えるのが一番大事だ。

ミドリ:両方の性質を知って、偏りすぎないこと、だね。

上野:その理解で十分だ。

上野 泰也 みずほ証券チーフマーケットエコノミスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

うえの・やすなり / Yasunari Ueno

1963年生まれ。上智大学文学部卒業。会計検査院や富士銀行を経て為替や資金の分野でエコノミストを歴任。2000年から現職。著書に『世界一わかりやすい金利の本』など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事