日本・中国・ドイツ「負債」が分かつ国家の命運 各国のバランスシートから読み解く「成長の代償」と「危うい未来」

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中国の政策立案者は、企業債務への依存を減らそうと試みているが、それはそのまま家計所得の減速とGDP成長の鈍化を意味する。

中国がこの「罠」から脱するには、中央政府が債務を肩代わりして大胆な財政出動を行うか、あるいは前例のない規模の債務救済に踏み切るしかない局面に立たされている。

「負債なしの成長」はありえるのか

理論上は、企業や個人が互いに稼ぎの範囲内で売買する「自己完結型民間部門モデル」も考えられるが、歴史上、このモデルで持続的な成長を遂げた国は存在しない。

現代の経済システムにおいて、GDPの成長は新たなマネーの創出に依存し、そのマネーは新たな負債によってのみ生み出される。

つまり、私たちは「借金による成長」という、終わりのない負債の階梯(かいてい)を上り続ける宿命にあるのだ。

各国のモデルが異なるのは、誰がその負債の重荷を背負い、誰がその果実を手にするかという「配分」の違いに過ぎない。政府、企業、家計、あるいは海外。どこかの部門が借金を積み上げなければ、経済は回り続けないのである。

債務は経済を繁栄させる「創造者」であるが、行き過ぎれば「破壊者」へと変貌する。

私たちが向き合うべきは、借金をゼロにすることではなく、この負債がもたらす「格差」と「過剰」という不都合な真実を直視し、破局を防ぐための新たな舵取りを見出すことなのである。

リチャード・ヴェイグ 実業家、元・米ペンシルバニア州銀行・証券局長官

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Richard Vague

ベンチャーキャピタリスト、実業家、作家。ペンシルバニア州銀行・証券局長官(2020~23年)。銀行2行の共同設立者兼CEO、ベンチャーキャピタルGabriel Investmentsのマネージングパートナー、電力・天然ガス供給会社Energy Plusの共同設立者兼会長兼CEOも務めた。本書以外の主な著書に『A Brief History of Doom』『The Case for a Debt Jubilee』などがある。

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