配属ガチャより残酷!?『新人ガチャ』疲弊する現場と理不尽な現実 「何度言っても伝わらない…」「自分の営業活動ができない…」
では、「新人ガチャ」でハズレを引いてしまったら、どうなるのか。想定されるマイナス面を挙げてみよう。
(2)自分の仕事ができなくなる
(3)イライラして感情的になる
(4)新人が成長せず、自分の評価が落ちる
なぜ、こんなことが起こるのか。
ハズレを引いてしまうと、教科書どおりの指導が通用しないからだ。合意したはずのこともやらない。成果が出るまで試行錯誤を続けない。何度フィードバックしても改善しない。
とくに厄介なのは、他責思考が強い新人である。
「うまくいかないのは、教え方が悪いからです」
「マニュアルが分かりにくいんです」
このように言い張られると、上司のメンタルは確実に削られていく。
ある広告代理店の係長(38歳)は、こう語った。
「新人の指導に時間を取られすぎて、自分の営業活動がまったくできなくなりました。数字が落ちて、上からは詰められる。でも新人は成長しない。正直、何のために働いているのか分からなくなりました」
あるIT企業で起きた「新人ガチャ」の悲劇
私がコンサルティングで関わったIT企業の事例を紹介しよう。
その会社では、毎年10名ほどの新人を採用していた。ある年、営業部門に配属された新人Aさんが問題を起こした。
Aさんは、入社3カ月で顧客とのトラブルを3件起こした。アポイントの時間を間違える。見積書の金額を誤記する。メールの宛先を間違えて機密情報を送信してしまう。どれも初歩的なミスばかりだ。
指導担当のBさん(32歳)は、毎日のようにAさんのフォローに追われた。自分の商談は後回しになり、月末になると数字が足りない。残業して挽回するしかなかった。
「Aさんのミスをカバーするために、自分の仕事が犠牲になっている。でも、そのことを上に言っても『指導力不足だ』と言われるだけ。本当につらかった」
Bさんは当時を振り返って、そう語った。
結局、Aさんは1年で退職した。しかし、Bさんのその年の評価は「C」だった。新人をやめさせてしまった責任を問われたのである。
「新人ガチャでハズレを引いたら、引いた側が損をする。これが現実なんです」
Bさんの言葉が、今も私の耳に残っている。
では、「新人ガチャ」でハズレを引いてしまったら、どうすればいいのか。
まず大前提として、正しい指導を続けることだ。感情的に怒鳴ったり、放置したりしてはいけない。それでは、こちらに非があることになってしまう。
そのうえで、必ずやってほしいことがある。
指導記録を残すことだ。
新人に何を指導したか。その指導に対して新人がどう反応したか。その後、どのような行動を取ったか。成果が出るまでのプロセスはどうだったか。これらを、できる限り事実として記録しておくのである。




















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