Instagramが若者に与えた "格差"→「SNSを利用して稼ぐインフルエンサー」と「劣等感を煽られる大衆」に二極化する実態

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いまやソーシャルメディアの頂点にあるInstagramだが、同時に負の影響も指摘されるようになった。2021年に外部流出したFacebook社内調査資料によれば、Instagramユーザのうち、10代女性の66%、10代男性の40%には、他者とのネガティブな比較経験があり、10代ユーザの20%が自分をネガティブに認識するようになっている。自殺願望を抱く10代若者のうち、Instagramとの関連性が報告された割合は、英国13%/米国6%となっている。

そのほか、学術研究によると、Instagramの継続的利用を通して、若者たちがうつ病や神経症などの精神健康上の被害を受けやすくなる点が論証されている。Instagramユーザが自らの体型にプレッシャーを感じ、摂食障害などの症状が生まれやすくなる点も報告されている。

「おまえの冴えない人生を早くどうにかしろ」

Instagramのような写真ベースのソーシャルメディアは、Twitterのようなテキストベースと比較して、多様で刺激的な表現が可能となる。公共的話題も取り扱われやすいテキストベースと比較して、写真ベースでは、身体/美容/ライフスタイルなど、個人的/日常的なテーマが前面に出やすく、人間を心理操作する多様なアイデアも試みやすい。

要するに、Instagramは、大衆の劣等感や消費欲をコントロールする絶好の狩り場なのだ。

ソーシャルメディアの直接的収入源は広告である。広告における基本戦略の1つは、消費者の個人的劣等感を刺激して、消費を扇動することである。いわば劣等感戦略だ。

大衆というカモに向けて「おまえの冴えない人生を早くどうにかしろ」というメッセージを視覚的に浴びせ続ける。そして、カモたちを消費に誘導していく。広告革命が謳われた1920年代から一貫して続いている戦略である。Instagramは、そうした広告史の延長線上に位置付けられるのだ。

私は、毎年知り合った大学生たちと会話するたびに、Instagramの体験談を聞かされることが多い。彼らによれば、大学生の大半は、 写真共有に特別な興味があるわけではないそうだ。(1)クラス/サークル/ゼミ/バイト先における人間関係の輪から外れないためにやっている、(2)一人でいる時間に孤独という不安から逃げるための暇つぶしになっている、というのである。

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