私立大学の5割が定員割れ、1年間で約90校なくなる?「自分だけ生き残れればいい」という発想捨て《地方大学同士が連携》する意味
――各地の大学で連携しようという機運が高まりつつあるのですね。
はい。ただ、現実的にはまったく文化の違う組織が連携するのは大変です。あとは自治体がどれだけ自分事化してくれるかにかかっています。
私立大学は「勝手に(学校を)やっているんでしょ?」と思われている節があり、地域に「大学は公共財である」という認識があまりありません。実際には学校法人は非営利組織なので儲けられませんし、自治体と同じ単年度決済なので資本を蓄えて投資するという株式会社方式の経営ができません。それでも「なぜ儲けている私学に県が手を差し伸べるのか」と思われがち。まずはそこから理解を得なければなりません。
自治体と大学が一緒に地域の未来を考えるべき
――これまでも大学同士で地域の高校生のために講座を開く、学生同士の単位互換を認めるといった取り組みがありました。そうした連携とどう違うのでしょうか?
今回のプラットフォームの大きな役目は「自治体が入って課題を自分事化して、その地域の将来像を考える」こと。
その地域で保育士が育たなくてもいいのか、県の主要産業が今後10年変わらないのか、置き換わっていくのか……地域の産業界や県の経済産業部と議論しながら、「地域には今後、どんな人材が必要なのか」からバックキャストして、大学の構造を変えていきましょうということなのです。
「知の総和」答申では、高等教育政策の目的として、①「質の向上」、②「規模」の適正化、③「アクセス」確保の3つが挙げられています。
今は、私大だけでなく国公立大学も適正規模になることが求められており、地域の人口動態を見ながら適正規模を見いだし、お互いにどこまで縮小するか議論しなければなりません。「先に言い出した者負け」にしてはいけませんし、「私学だけ負け」にしてもいけません。
ポイントは「自分の大学だけ残ればいい」という発想を捨てられるかどうか。子どもにとってどの大学が残るかということよりも、大切なのはその地域で学べること。地域の子どもたちが地域で学ぶ環境をきちんとつくろうとしないと、地域からの理解は得られません。
大学同士が競争すれば、お互いに定員が埋まらず疲弊して共倒れになりかねませんから、協調しながら互いに適正規模になろうというわけです。ただし、縮小すれば国公立だろうが私立だろうが学費収入は減りますから、減った分をみんなで協力して按分して補うスキームをつくる。この一連の流れをプラットフォームでやってほしいのです。
これは相当ハードなネゴシエーションになります。プラットフォームの名前をあえて「地域構想推進」にしたのは、そのためです。
「うちは参加しない」という大学も出てくるでしょうし、それなら単独で頑張ってもらうしかありません。そもそもこのスキームが成り立たず、空中分解することもあるかもしれない。そうなれば別のスキームを考えなければならないので、早く動く必要があるのです。
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