私立大学の5割が定員割れ、1年間で約90校なくなる?「自分だけ生き残れればいい」という発想捨て《地方大学同士が連携》する意味
――その背景には少子化があるということでしょうか。
大学進学率は年々上がり、現在は過去最高の61.4%(短大含む)です。今後も進学率は上がると思いますが、少子化がそれを上回っており、大学進学者の母数となる18歳人口が減少しています。例えば、群馬県は18歳人口が1万7000人強ですが、昨年の出生数は9000人強。18年後には18歳人口がほぼ半分になる見込みです。

国を維持するには各地の大学が欠かせない
――中央教育審議会は2025年2月にいわゆる「知の総和」答申をまとめました。そこでは、人の数と人の能力の掛け合わせで決まる「知の総和」の向上が必須だと述べられています。
人の数が減る中では、その質を上げなければ、日本は世界から取り残されてしまいます。この「知の総和」を維持向上するのに中心的な役割を果たすのが高等教育機関です。
――しかし答申では今後、中間的な規模の大学が1年間で約90校減るほど急速な少子化が見込まれていて、地方では質の高い高等教育へのアクセスが確保されない事態も想定されるとあります。
現状は「大学の数が多すぎる」という意見もありますが、地方から大学がなくなり、地元で進学ができなければ大学に行くことを諦める子は増えるでしょう。実際、日本の大学進学率を支えているのは東京で、地方だと4割にも届かないという地域もあります。例えば、韓国の大学進学率は7割を超えますが、はたして先進国である日本がこのままでいいのかという考えもあるのです。
昭和の高度経済成長期のような右肩上がりの時代は、社会が自分たちを引っ張っていってくれます。しかし、今は予測困難な時代と言われ、この時代を生きていくには知識を持っているだけではだめです。
このような時代における大学の役割は当然変化しています。限られた教科学力の高い子が専門知識を学ぶために行くという大学のイメージから脱却する必要があるでしょう。
多様な子が地域・国・世界に役立つ人材になるため、また自らが幸せになるために、専門知識だけでなく主体性や課題設定・解決能力、コミュニケーション能力などのコンピテンシーを身に付ける場所として大学の役割が再設定されているのです。そのためにも、誰もがいつでも自らの選択により大学で学ぶことができる「ユニバーサル・アクセス」を維持していくことが必要なのです。
学生たちには幸せな生涯を送ってほしいと切に願うし、そのために大学はあると自負しています。そしてそのことによって、社会全体の知の総和が担保されていくに違いありません。
――国も地方大学の重要性を認めているのでしょうか。
個々の大学が頑張るのは大前提で、地域の大学が連携し、タッグを組むことが大切です。それを国が後押しする。実際、文科省も概算要求で、こうした地域の大学の連携を促すプラットフォーム構築事業に予算をつけようとしています。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら