TikTokやインスタグラムなどのSNSに「16歳未満のアカウント禁止」の波、12月10日に始まるオーストラリア発の規制を世界が注視
利用者数と利用時間は、収入の大部分を広告が占めるソーシャルメディア企業にとって非常に重要だ。10代のアクセスを制限すれば、業界が今年得るとeMarketerが推計する2450億ドル超の収入の一部が危険にさらされる可能性がある。
Facebook(フェイスブック)とInstagramを運営するメタ・プラットフォームズは新法を順守すると約束する一方、禁止措置の実施は難しく、かえって子どもをネットの暗部へと導くリスクがあると主張し、親の管理を強化する方が望ましいと述べている。TikTokを運営する中国のバイトダンス(字節跳動)も法には従うとしつつ、年齢による一律禁止は効果がないと論じている。
それでも、オーストラリアでの制限導入が成功すれば、世界的な動きを後押しする可能性がある。同国は過去にも業界規制の先駆けとなった事例があり、2012年にたばこのプレーン包装(ブランドロゴなどデザイン要素を排した包装)を義務付けた措置には、フランスやカナダを含む数十カ国が追随した。
命綱の側面も
ニューヨーク大学スターン経営大学院のビジネス・人権センターで所長を務めるマイケル・ポズナー氏は「各国政府には、SNSを規制する適切な手段を見極めなければならないとの切迫感がある」と指摘。「事態は非常に速いペースで進んでいる」と語った。
2024年にオーストラリアで実施された世論調査で、16歳未満のSNS利用を禁じる措置に多くの国民が賛成していることが分かった。しかし一部の団体は、利用禁止が社会的に弱い立場にある若者への支援手段を奪うほか、より危険なプラットフォームに誘導するなど、意図せぬ悪影響をもたらす可能性があると警告している。


















