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熱狂的なファンに愛される伝説の写真集『TOKYO STYLE』、著者・都築響一氏が語る「普通の暮らし」に宿る価値

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  • 蜂谷 智子 ライター・編集者 編集プロダクションAsuamu主宰

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(左)スペインの出版社から2024年に英語版で再版された『TOKYO STYLE』(画像:apartamento社Webサイトより)、(右)写真家・編集者の都築響一さん(撮影:今井 康一)
30年以上前に刊行された伝説の写真集『TOKYO STYLE』(都築響一著)をご存じでしょうか。
連載「だから、ひとり暮らし」の筆者、蜂谷智子さんはこの写真集を大事に持ち続け、自身の連載をイメージ。このたび書籍『だから、ひとり暮らしとして刊行するにあたり、連載の出発点とも言える『TOKYO STYLE』の著者・都築響一さんと対談しました(対談の様子は書籍に収録)。
本記事では、蜂谷さんが1993年発売の『TOKYO STYLE』と2025年発売の『だから、ひとり暮らし』を重ねながら、暮らしを記録する意味を見つめ直します。

普通の人の暮らしを捉えた伝説の写真集

現代は、SNSを開けば、あらゆる情報がある。ライフスタイルについても同様、インテリアの正解、暮らしのコツ、片づけのノウハウ。数えきれない人が発信し、「他人の暮らし」は端末のなかに無限に並んでいるかのようだ。

それにもかかわらず、30年前に刊行された、「普通の人の普通の部屋」の写真集が、いまもレジェンドであり続けている。それが『TOKYO STYLE』(都築 響一著)であり、80年代の東京のユースカルチャーを、“部屋”を軸に記録した一冊だ。

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そこに収められているのは、80〜90年代の普通の若者の部屋。洗濯物や敷きっぱなしの布団まで写し込まれた、彼らの“ありのまま”の生活だ。その記録は累計10万部を超えるベストセラーとなり、現在も版を重ねている。

加えて昨年2024年にはスペイン・バルセロナの「apartamento」(アパルタメント)から愛蔵版が刊行され、30年以上を経た現在、海外でも評価され続けている。

実は2024年に東洋経済オンライン上で「だから、ひとり暮らし」の連載を始めたとき、まっさきにお手本にしたのはこの『TOKYO STYLE』だった。

なぜならそこには、現代のSNSにあふれる暮らしの断片にはない、体温や、ブレない眼差しがあったからだ。そうした強さがなければ、この時代にオールドスタイルな取材記事で、人々の心をつかむことはできないだろうと思った。

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【『TOKYO STYLE』にある普遍的な魅力】

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