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ライフ #「ふるさと納税」疲弊する自治体

ふるさと納税で都会から地方への税金の流れが確かにできたが、地方同士の格差が猛烈に拡大し固定化している現実もある

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ゲームには攻守がある。

攻めに相当するのは、返礼品という武器を使ったふるさと納税の獲得。守りに相当するのは、地元住民に他自治体へのふるさと納税をご遠慮いただくことだ。

攻めの武器である返礼品では、一次産品の人気が強い。各都道府県下自治体が獲得するふるさと納税の平均金額トップ10には、第一次産業に強みを持つ自治体が名を連ねる。

ただし、地方=ふるさと納税獲得競争の勝ち組、という単純な構図ではない。売れ線の返礼品を用意できなければ、勝ち筋は見えない。

1自治体当たりのふるさと納税獲得額の平均は全国平均で約7億円である。しかし、上位都道府県内で中位に位置する自治体の獲得額ですら、軒並みこの水準を下回っている。下位10%の自治体に至っては完全な負け組水準だ。

勝ち負けがわかりやすい例が、昨年度のふるさと納税獲得額で実質的な首位であった北海道白糠町と、その周辺自治体の寄付獲得額の比較だ。釧路市を含む隣接4自治体の獲得額合計の約10倍を白糠町だけで稼いだ。住民1人当たりで見ると、隣接4自治体が1万~3万円程度なのに対し、白糠町は300万円を超える。同じ地域でも強烈な格差が生まれている。

すなわち、域内の獲得額が大きい都道府県でも、ごく一部の勝ち組自治体が平均を押し上げているということだ。あまねく地方がふるさと納税で潤っているわけではなく、むしろ地方内格差が拡大している構図といえる。昨年度に関して言えば、コメの定期便人気が高まり、勝ち組に資金が集中する傾向に拍車がかかった。

「リピーター」「ゾンビ」化した住民が自治体の敵に

攻めについては工夫や努力次第で獲得額を増やせる可能性がある一方、このゲームに守りの術はない。自治体にとっては住民が獅子身中の虫となってしまう。

メカニズムはこうだ。

住民は、ふるさと納税で流出した住民税分だけ当該自治体からの行政サービスを失う。これについての住民の意識は薄く、自治体が損失のインパクトを訴えても、なしのつぶてとなってしまう。

それだけではない。ふるさと納税をする・しないにかかわらず、失う行政サービスの影響は住民全体に及ぶ。すると、ふるさと納税をしていれば、住民としては返礼品という名の補助金分だけ、個人レベルでは埋め合わせができると徐々に気づく。しない人が馬鹿をみる、という話になる。

このゲームは1回限りではなく、毎年行われる。一度経験した住民はリピーター化しやすく、年々ゲームに新規参加する住民が増えていく「ゾンビ効果」もある。

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