東洋経済オンラインとは
ビジネス #週刊「すごいベンチャー」

"教科書通り"では「破壊的イノベーション」は生まれない。最初は「ホラ」に聞こえるアイデアやビジネスやがブレイクスルーする

6分で読める 有料会員限定
  • 川下 和彦 quantum代表取締役社長兼CEO/クリエイティブディレクター

INDEX

破壊的イノベーションを生み出すにはどうすればよいか (写真:k_yu/PIXTA)

日本企業が栄華を誇っていたのはもはや過去の話。バブル崩壊前の1989年まで、時価総額ランキングトップ5を独占していた日本企業はランク外に落ち、今の20代が物心ついたときには、「そんな時代があったのか」という感覚なのかもしれない。

生成AIの登場に加えて、金融引き締めによる資金調達の難しさ、人材獲得競争の激化……スタートアップをめぐる環境は大きく変化している。週刊東洋経済の恒例特集「すごいベンチャー」を連載化。連載の一覧はこちら

そうした中、日本政府は2022年11月に「スタートアップ育成5か年計画」を発表し、スタートアップに対する年間投資額を2027年度に10兆円規模へ増やす目標を掲げるほか、大企業も業種業界を問わず、新規事業創出を行っている。

こうした取り組みは一定の成果に結び付いていると思われるものの、まだまだ限定的な印象がある。著者が経営するスタートアップスタジオ・quantum(クオンタム)は、2010年代初頭から新規事業開発やスタートアップ創出に関わる業界の動向に注目してきたが、その頃からうまくいっている事例として挙げられるベンチャー企業やスタートアップの顔ぶれも大きく変わっていない。

教科書に沿った事業開発の限界

これだけ政府、経済界、大学や研究機関が懸命に力を注いでいながら、なぜ破壊的なイノベーションの創出に苦戦するのだろうか。私は、その理由の1つが「科学的に段取り化されすぎたイノベーション創出のアプローチ」であると考えている。

過去に何度も新規事業やスタートアップを立ち上げてきた「シリアルアントレプレナー」のような存在はごく稀で、大企業にせよ、起業家候補にせよ、初めて事業開発に取り組むことになるケースが大半だ。そうなると、人は「手すり」を求めるものである。暗闇の中、どこに向かって歩いていけばいいのか? 不安な中、頼れる手すりがあるとそれをつたっていきたいと思うだろう。

次ページが続きます

2/3 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象