他方で、別の見方も成立する。アメリカで稼ぎたい海外の企業は、価格に転嫁せず、自社で関税の引き上げ分のコストを吸収すればいい。要するに、アメリカで稼ぎたい海外の企業は、アメリカ市場への参加料をもっと払えということになる。大統領経済諮問委員会(CEA)のスティーブン・ミラン委員長ら政権ブレーンはそう考えていそうだ。
ミラン委員長やピーター・ナバロ貿易・製造業担当上級顧問らには、特有の経済観があるように見受けられる。それは、アメリカこそが“被害者”だという意識にほかならない。なぜアメリカがグローバル経済の維持のためのコストをここまで負担しなければならないのか。もっと世界各国がコストを負担すべきではないか、という被害者意識だ。
彼ら政権のブレーンからしたら、海外の企業はアメリカで稼ぎたいのだから、その分、アメリカ市場への参加料をもっと支払うべきだという主張になる。そこには、海外の企業はアメリカ市場に参加し続けたいのだから、消費者に最終的にコストを転嫁せず、企業自らがコストを負担するはずだという都合のいい解釈があるのではないだろうか。
輸出元がコスト負担ならトランプの思惑通り
逆を言えば、海外企業や輸入業者、販売業者が関税の引き上げ分のコストを吸収し続けるのであるなら、それこそ、トランプ政権のブレーンの思惑通りの展開となる。とはいえ、海外の企業の多くは、関税によって膨らんだコストを、最終的には小売価格に反映せざるをえないだろう。この動きが拡がれば、インフレは急激に加速することになる。
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