「判断ミス」はなぜ起こる?原因の1つは《情報の取り方》にあった――脳の専門医が教える「失敗をなくす考え方のコツ」

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一方、それを否定する人たちは、まったく異なった情報形成を行い、自分の主義主張を強化する。人々のさまざまな認識や価値判断は、この情報収集の選択と、一連の認知による情報形成に大きくかかわっているのです。

本稿では正しい情報形成を行うことで、判断ミスを防ぐ方法を探っていきたいと思います。

情報の不足や偏りを感じ取る力が大事

まっとうな情報形成を行うためには、できるだけたくさんの情報=事実を集めることが大前提です。正確な事実を集めて積み上げていくことで、真実が浮き彫りになっていきます。

真実が浮き彫りになるということは、もはやそれ自体が1つの判断と同じです。そしてそれこそが「情報形成」だと言ってもよいかもしれません。

いずれにしても、いかに情報=事実をたくさん集めるかというのがポイントになってきます。

的確に判断するには、判断の元となる情報を集めることが大切ですが、この情報が十分そろったのか、それともまだ足りていないかを見極めることがとても重要です。私も最近情報の過不足を見極める経験をしましたので、紹介します。

最近、実家の土地問題に関わることになり、面倒なことに私が解決しなければならなくなりました。

土地の境界について、これまであいまいな部分があったのを正確なものにして、再度調整し、契約しなければなりません。

その土地には複数の人が関係しているので、できるだけ早く関係者の人たちと協議し、明確にしなければならないのですが、私としてはいまの段階では情報が足りないと感じました。まだ結論を導くことができる状態ではないと感じていたのです。

まず現状の土地がどのようなもので、どのような境界が引かれているのか、基本の情報を押さえなければ話は前に進みません。

この件で、私は事前に財務省に赴き、税制を含めていろいろ確認したのですが、帰りがけに、今回仲介してくれた人がドローンの会社の話をしてくれました。もしかして役に立つかもしれないというのです。

そのときはピンとは来なかったのですが、まず土地がどのような状態なのかを正確に知る必要があるわけです。

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