韓国で100万人超動員のR18+映画『秘顔』が日本上陸 《露骨な性描写》も意味がある! 壮絶「トンデモ復讐劇」に日本人も惹かれるであろう理由
裕福な家庭でわがまま放題に育てられ、自分本位で気の強いスヨン。彼女とその母にプライドを傷つけられ、オーケストラでの指揮者としての信頼も脅かされるソンジン。
彼らのキャラクター造形は、王道のように見せておきながら、ラストでそれを軽々と飛び越えて、観客の予想を裏切る。既存のジャンルや物語設定を新たな視点で刷新する作品と言えるかもしれない。

予測不可能な復讐劇でありつつ、共感も生む
大枠では、韓国映画らしい、予測不可能な復讐劇なのだが、登場人物たちの細かな感情の揺れや、にじませる情感に、現代社会を生きるわれわれとの細かなリンクがある。
だから、ストーリーに引きつけられるし、物語を人ごととは思えずに、登場人物たちの気持ちに思いを馳せる。人は誰しも複雑な内面を隠し持ち、それがときに垣間見えることがある。そんなことも考えさせられる。
ただ、その世界観には驚きがあり、十分おもしろいのだが、見るのにはカロリーを要する(疲れる)映画だ。スクリーンで繰り広げられる憎愛劇が、まるですぐ身近な場所で起きているような錯覚に襲われる、演出とストーリーテリングのマジックがある。鑑賞をリピートするかと聞かれれば、1回でお腹いっぱいかもしれない。
劇中には、女と男、女同士それぞれの立場と心のコントラストが際立つ仕掛けがある。そんな中での、後半からラストの登場人物たちの判断と行動には、もし自分だったらどうするかとつい考えてしまう余韻が残る。もしかすると、現代社会における清濁併せ呑む生き方への覚悟が問われているのかもしれない。

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