「本当は皆ウンザリ?」≪パーパス経営≫が従業員の心に響かない残念な理由
さらに、従業員は、メリットがないから無関心、押し付けられたから意欲が出ないというだけでなく、パーパス経営を推進する経営者に不信感を抱いている可能性があります。
「わが社は、数年前から格調高いパーパスを掲げています。しかし、経営状態が悪化し、抜本的な改革が急務で、皆『コンサルタントに金を払うなら他のことに使うべき』とぼやいています。パーパスを作る一方、経営改革を躊躇しているのは、経営者の怠慢ではないでしょうか」(輸送機・50代男性)
パーパス(目的・存在意義)とは、広い意味では経営理念です。経営理念には、創業者の「こういう事業を作って顧客や社会に貢献したい」という想いが反映されており、企業が存続する限りむやみに変更するものではありません。
理念は立派でも、抜本的な改革は躊躇
一方、企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化するので、経営戦略や事業方針は、不断に見直す必要があります。残念ながら、多くの経営者が抜本的な改革を躊躇しています。
誇らしげにパーパスを掲げる経営者は、変えるべきではない経営理念を変え、変えるべき経営戦略・事業方針を変えない、という致命的な間違いを犯しているのではないでしょうか。大いに反省する必要がありそうです。
では、これから企業は、パーパスにどう向き合うべきでしょうか。よく経営者やコンサルタントは、「パーパスを飾り物にしてはいけない。魂を入れる必要がある」と強調します。
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