「本当は皆ウンザリ?」≪パーパス経営≫が従業員の心に響かない残念な理由

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「当社では、2年前にパーパスを制定しました。しかし今のところ、パーパスが加わっただけで、経営方針も日常業務も社員のマインドも、何も変わっていません。社長室の額縁がまた1つ増えただけです」(消費財・40代女性)

「コンサルタントがやってきて、数カ月後、カッコいいパーパスが公表されました。新パーパスについてアンケートがあったので、『どの会社にも当てはまる内容で共感できない』『会議で唱和しろとかウザい』と不満を書いたんですが、あっさりスルーされました(笑)」(金融・30代男性)

かく言う筆者も、いろいろな企業でパーパス経営のお手伝いをしています(流行に乗っかるのが嫌いなので、パーパスという言葉は使いませんが)。筆者の力不足もあって、大満足する経営者と不満を募らせる従業員という構図になることが多く、日々悩んでいるところです。

従業員にとってはどうでもいい?

なぜ、パーパスは従業員の心に響かないのでしょうか。いろいろな原因がありますが、最も大きいのは、パーパス経営が投資家目線・経営者目線の取り組みであって、従業員目線ではないことでしょう。

パーパス経営は、資産運用の世界でESG (Environment 環境・Social  社会・Governance ガバナンス)が重視されるようになったことに端を発しています。経営者は、「わが社はESGを強く意識して経営しています!」と表明し投資家に納得してもらう必要があるわけですが、一般の従業員にとってはどうでもいい話です。

パーパス経営
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