六甲ライナー、神戸の「地味な新交通」の成長余地 新型車両でイメージ一新、迫られる老朽化対策

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神戸新交通によると「現在の輸送能力と需要を勘案すれば、現在の12編成から増備する必要はなく、4両編成の電車を5両や6両に増結することも考えていない」(総務部)という。

神戸市が神戸開港150年を機に発表した「神戸港将来構想」を見ると、新たに埋め立てが進む六甲アイランドの南側は、新たにできる286haすべてを港湾・物流に充てることが考えられている。そこで新たな鉄道需要は乏しく、六甲ライナーの延伸は考えにくい。

六甲ライナーの終点、マリンパーク駅
六甲ライナーの終点、マリンパーク駅(編集部撮影)
【写真の続き】JRとの乗り換え駅である住吉からは乗車時間たったの約10分。六甲アイランドの終点、マリンパーク駅には何がある?

迫られる老朽化対策

車両の世代交代はまもなく一巡するが、次は建設から30年以上が経過した駅舎や、全線高架・複線である軌道について老朽化対策が本格化するとみられる。通勤・通学で安定した需要があるが、その分、今後の収益に増加の余地が乏しいと見積もることになるだろう。

神戸新交通は黒字を確保できているが、阪神・淡路大震災や新型コロナウイルスといった災害や感染症などで被害を受けるリスクはつねにある。それだけに今後の投資・支出計画はできるだけ早めに、地元の理解を得ておく必要があるだろう。

【前編を読む】神戸市民にとっては「じゃないほう」の新交通システム、六甲ライナー。“本土”側に位置する住吉、魚崎、南魚崎の3駅はどんな場所にあるのか……。
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山本 学 神戸経済ニュース編集長

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Manabu Yamamoto

1999年に金融情報サービスのQUICK入社。グループの日本経済新聞社や日経QUICKニュースで株、為替、債券、短期市場や企業ニュースなど市場周辺の担当記者だった。2018年に独立してニュースサイト「神戸経済ニュース」を運営開始。神戸市の企業や、兵庫・神戸の経済動向をカバーする。何かと騒がしい兵庫県庁も取材対象だ。

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