ミニのEV最強版「ジョン・クーパー・ワークスE」が1959年のクラシック・ミニを思い出させる納得の理由

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「最も重要なことは、反応の速さです。ステアリングホイールをわずかに動かしただけで、すぐに車体が向きを変える。それに、ステアリング特性だけでなく、すべてがシンクロして動かなくてはいけません。そのためにシャシー剛性も上げています。ほとんど車体のロールなしでコーナリングしていくような姿勢を作ることも心がけました」

ICEのミニJCWでも感じたのは、特徴的なサスペンションの設定だ。いっとき、ミニは足まわりの設定が少しソフトに感じられるようになっていた。

ミニJCW Eの一充電走行距離は421km、JCWエースマンEは403km(写真:MINI)
ミニJCW Eの一充電走行距離は421km、JCWエースマンEは403km(写真:MINI)

「ところが、それだと『快適すぎる』『スポーティじゃない』と、ヨーロッパのプレスから評されてしまいました。その意見を、JCWを開発するとき、おおいに参考にしたわけです。そこで、従来喧伝してきた“ゴーカート・フィーリング”を目指しました。ステアリングが超クイックで、ロールしないゴーカートのようなハンドリング特性を“新しいJCW”と位置づけし直しました」

クラシック・ミニの感激を思い出す

ミニJCW EとエースマンJCW E、たしかにどちらも、足まわりの設定はかなり硬めだ。ステアリングホイールを動かせば、さっとノーズが向きを変える。

オリジナル・ミニ(特にサスペンションが封入した液圧でなくラバーコーンなるゴムを使うもの)では、サスペンションストロークが短いことに加え、ステアリングのギアレシオがクイックで、本当にゴーカートのような走りだった。

ステアリング左奥の赤い「ブースト」レバーを引くと10秒間だけ20kWのパワーが上乗せされる(写真:MINI)
ステアリングホイール左奥の赤い「ブースト」レバーを引くと10秒間だけ20kWのパワーが上乗せされる(写真:MINI)

2車の違いは、とくに路面がよくなると明確になる。ホイールベースがミニ3ドアの2525mmに対して、エースマンは2605mmであることも手伝い、後者のほうがよりしっとりと感じられる。

ミニ・ジョン・クーパー・ワークスEは凝縮したほうがボディの2プラス2的なコンパクトさが身上で、ハッチバック車の姿だけれど中身はちょっとしたスポーツカーのようだ。

どちらのクルマも、190kWの最高出力と350Nmの最大トルクは同一。一充電走行距離をみると、車重1760kgのJCWエースマンEが、JCW(3ドア)Eより100kg重いこともあり、エースマンEは403kmで、3ドアEは421kmだ。

日本での価格は「ミニ・ジョン・クーパー・ワークスE」が536万円、「ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エースマンE」が641万円となっている。

【写真】走る姿もスポーティなジョン・クーパー・ワークスのスタイリング(16枚)
小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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