ミニのEV最強版「ジョン・クーパー・ワークスE」が1959年のクラシック・ミニを思い出させる納得の理由

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今回イギリスで乗ったミニ・ジョン・クーパー・ワークスEとミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エースマンEの2台は、ともにバッテリー駆動のEV(BEV)がベースだ。

さらにパワーを上げて、より俊敏な操縦性を与えることで「新しい市場が開拓できるはず」と考えての企画だろう。

最もオリジナル・ミニに近い3ドア・ハッチバックのミニJCW E(写真:MINI)
最もオリジナル・ミニに近い3ドア・ハッチバックのミニJCW E(写真:MINI)

BEVはそもそも、ごく低速でモーターの持つトルクのほぼすべてがしぼり出されるという特性をもつ。

だから、数値的にはちょっとしょぼく感じられても、実際に走らせてみると期待以上に速いことがしばしばある。

今回、イギリスでICE車(エンジン車)と並行して乗った2台の“BEVのミニ”も、まさにそんなクルマだった。

ミニ・ジョン・クーパー・ワークスE(JCW E)とミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エースマンE(エースマンJCW E)が興味深いのは、独自の考え方にある。

どうやって電動ミニの高性能版のキャラクターを確立していくべきか。開発者はそのコンセプトを練り、実現させている。

アンビエントカラー(赤以外も選択できる)が華やかなミニJCWエースマンEのインテリア(写真:MINI)
アンビエントカラー(赤以外も選択できる)が華やかなミニJCWエースマンEのインテリア(写真:MINI)

「今回、2台のICEと2台のBEVに同じタイミングで乗っていただいたので、ひょっとしたら感じているかもしれませんが、それぞれのモデルが独自の味付けを施しています」

テストドライブの会場でインタビューに答えてくれたドライビングダイナミクスの責任者、パトリック・ホイスラー氏は、そう語った。

そのうえで「でも……」とつけ加える。

「開発陣が最も意識したのは、フィーリングです。たとえ目隠ししてステアリングホイールを握っても、走り出したとたんにJCWだとわかるような味つけをすることでした」

戻ってきたゴーカート・フィーリング

ではどうやって“味付け”を行ったのだろう。JCWの特徴はいかなるものかと、開発陣は捉えているのだろうか。

「ひとつはサスペンション。スプリングは、レートを上げています。つまり硬めです。加えてバンプストップによる足まわりのチューニングで、ニュートラルなステアリング特性を保つようにしました」

最高出力は190kW、最大トルクは350Nmで前輪を駆動(写真:MINI)
最高出力は190kW、最大トルクは350Nmで前輪を駆動(写真:MINI)

さらにホイスラー氏は説明をつづける。

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