スマホ新法の影響でアップルが機能制限を検討、EUでは既にiPhoneミラーリングが提供されず。競争促進法により新機能が日本でも制限される懸念
世界中のアップルプラットフォーム向けにアプリを開発している開発者からすれば、自分たちのビジネスの基盤が変化したり、脅かされたり、余計な出費が増える可能性が出てきているわけで、今まで通りビジネスを続けることができるのか、「不安」を感じているのではないだろうか。
App Storeのビジネスが今後も維持される点について言及がなかったというのは、アプリの作り手であり、App Storeに商品を供給する役割を担う開発者の不透明感を払拭しなかった、と見ることができる。つまり対応が不十分だと思うのだ。
EUではDMAに対応するため、コア技術手数料という新しい手数料が開発者に課され、App Store以外のアプリストアを提供(サイドローディング)する場合、100万ダウンロードを超える有料アプリについて、1アプリあたり0.5ユーロが課金されることになった。

アップルは無料アプリからの収益が得られないが、有料アプリの手数料があるから、API開発や安全性を保つための審査などにコストを割いてきた背景がある。サイドローディングはそのモデルを壊すことになり、API開発のコストを回収するため、手数料を取る必要が出てきたのだ。
まだ開発者には回避策があるが、日本でもサイドローディングが義務づけられれば、アプリあたりの手数料をアップルが徴収する同様の措置を取り入れる可能性がある。その場合、アプリ経済圏の拡大の阻害や、開発者に対する追加の金銭的負担が生じ、特にスタートアップや個人の開発者にとって不利益となるかもしれない。
本来守るべきは、そうした新規参入を目論む小規模な開発者だったはずだ。
消費者は置いてけぼり、だからこそ開発者との対話を
EUの事例を見ても、競争法は一般的に、消費者の利益は加味されない。
競合する企業や市場環境が、正常に保たれ、固定の企業の独占や支配的地位の濫用が発生しないことに主眼が置かれる。
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