スマホ新法の影響でアップルが機能制限を検討、EUでは既にiPhoneミラーリングが提供されず。競争促進法により新機能が日本でも制限される懸念

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アメリカでは、アプリからアップル以外の課金サービスを利用しようとする際に警告画面を出している点に対して、排除するよう決定され、外部課金問題でApp Storeを閉め出されていたゲーム大手のエピックが、人気アプリをApp Storeに復活させた。

App Storeのビジネスモデルそのものが問題視されているわけではないが、過剰な自社決済への誘導が問題視される結果となった。

前述の「スマホ新法」は、原則としてEUのDMAにならっており、独占的なビジネスを展開するプラットフォーム企業を指定し、競争環境を保つよう監視していくことになる。なお、スマホ新法で指定されたのは、アップル、iTunes株式会社(アップルの日本におけるサービス部門を運営)、そしてグーグルだ。

アップルは、「App Storeによる経済圏」を定義したうえで、経済圏における売り上げの90%からしか、アップルは手数料を得ていないと指摘する。つまり、90%に対して15〜30%の手数料を課しているに過ぎず、経済圏全体からすれば、わずかなパイしか得ていない、と反論している。

さらに開発者向けに、アプリ制作のためのAPIを整備し、アプリ配信のプラットフォームを提供し、無料アプリに対してもすべての審査を行うなど、アップルの支出も多い。

アップルは、独自に開発した技術とビジネスから、適切な収益を得る自由が保たれるべきだと主張しており、同時に開発者がプラットフォーム利用の際に得られるメリットから、手数料率の妥当性を評価すべきとしている。

WWDC25では、これらの件への言及がなかった

今回のWWDC25で、個人的に気になっているのは、開発者向けに、世界中のプラットフォーム規制の動きに対して、アップルの考え方を述べなかったことだ。

WWDC25 クレイグ・フェデリギ
WWDC25の基調講演で新ソフトウェアを披露するアップルでソフトウェア開発のトップを担うシニアバイスプレジデント、クレイグ・フェデリギ氏。各国における競争法に関連する言及はなかった(筆者撮影)
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