人口減少が止まらない…日本だけじゃない「超少子化国」の悲惨すぎる末路
③財政悪化、社会保障制度の崩壊?
2018年5月現在の数字だが、「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(社会保障給付費)」によると、年金や医療、介護、子供・子育てなど「社会保障給付費」をトータルすると、2040年には「190兆円」に達するとシミュレーションされている(括弧内は2025年度、ベースラインケース、資料:内閣府、厚生労働省、財務省)。
●医療…… 68.5兆円、(47.4兆円)
●介護…… 25.8兆円、(15.3兆円)
●子供、子育て…… 13.1兆円、(10.0兆円)
●その他…… 9.4兆円、(7.7兆円)
●合計…… 190兆円(140.2兆円)
ちなみに、現在の国家予算は一般会計で115兆円程度(2025年度)。社会保障費だけで190兆円に達してしまうわけだから、よほど税収入が増えないとやっていけなくなる。実際に、同データでは、2040年の「公費負担」を、医療で32.2兆円、介護14.2兆円、年金17.2兆円とシミュレーションしている。子供、子育て(10.1兆円)、その他(6.7兆円)の合計は80.3兆円となり、税収が増えなければ、社会保障費だけで予算の多くを使ってしまうことになる。
社会全体が持たなくなる
いずれにしても、現在のような急激な人口減少が進めば、社会全体が持たなくなる事態は明らかだろう。ただ、経済の分野で第4次産業革命と言われる「AI」のイノベーションが起きており、人間の生き方そのものが大きな転換点を迎えているのかもしれない。
たとえば子供を作らない選択は、子供に教育費がかかるといったことだけでは説明できない。現在は、結婚しづらい世の中であり、子供を産み、育てていくのにしんどい社会と言わざるをえない。とりわけ日本や中国、韓国では、現在の体制を維持しようとする高齢者や富裕層は、税金を使ってでも、少子化を食い止めようとする意識が強いが、就職氷河期世代やZ世代にとっては、将来の国家のあり方よりも自分の未来のほうがそもそも重要だ。
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