人口減少が止まらない…日本だけじゃない「超少子化国」の悲惨すぎる末路

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出生数が、東アジアを中心に大きく減少している状態は、「超少子化」と呼ばれて注目されているが、確かに比較的少子化が進んでいたと言われていた欧州と比較すると、近年際立って出生数が急減していることがわかる。韓国の0.75(2024年)は前年に比べてわずかに上昇したものの、「OECD(経済協力開発機構)」の加盟国では、唯一1.0を下回る超少子化の状態が続いている。

韓国や中国では、将来的な政治体制への不安もあるものの、むしろ教育費の高騰がその背景にあると報道されている。韓国の新しい大統領に就任した李在明(イ・ジェミョン)政権でも、重大公約のひとつとして、児童手当の対象年齢の段階的な引き上げを盛り込んでいる。中国も、1980年前後から続けた一人っ子政策の影響で、出産適齢期の女性が大きく減少。全人代で、育児手当支給や幼稚園等の費用を段階的に無償にする政策を打ち出している(日本経済新聞、2025年6月11日朝刊「日中韓、子育て不安、大きく」)。

もともと日中韓は、父親の権威がいまだに強い国として知られており、世界経済フォーラムが公表している「ジェンダーギャップ指数」は、3国ともに100位以下を低迷するなど、男女格差の色彩が強く残っている地域と言っていい。日本も、いまだに選択的夫婦別姓を決められない自民党が政権を維持している。

少子化は社会に何をもたらすのか?

日本でも少子化対策として様々な政策が実施されようとしているが、その道は長く険しいようだ。高校無償化や婚姻数増加のために、政府や地方自治体も真剣に取り組んではいるが、日本は単なる少子化だけではなく高齢化が急速に進み、将来の社会保障制度や地域の社会機能の維持さえも崩壊してしまうような状況と言っていい。

そこで考えたいのが、このまま少子化や人口減少が進んでいった場合に、一体何が起こるのか。どんな分野に影響があるのか。実際にその範囲は非常に大きいと考えていい。たとえば、「ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)」の未来予測によると、2060年までに世界全体で考えたときに、人口が増減しない均衡した状態になると予想。合計特殊出生率の水準が人口増加を意味する2.1を超えられない状態になると推計している。

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