トランプ企業が発売の≪金色に輝くスマホ≫大統領ビジネスの次なる一手は“利益相反”の可能性も
The 47プランはトランプ氏が第47代および第45代大統領であることにちなみ、月額47.45ドルで提供される。
Trump Mobileは基本的に、MVNO事業者であるLiberty Mobileが提供するサービスを利用するホワイトレーベル事業者としてサービスを展開する。要するに、通信回線をOEMで提供する格好だ。
Liberty MobileはAT&T、T-Mobile、Verizonといったメジャーなキャリアの回線を利用しており、最も安価なプランで月額20ドルからという格安プランも提供しているため、The 47プランの月額47.45ドルが安いかどうかは評価が分かれるところかもしれない。他の、Mint MobileやBoost Mobileといった格安携帯電話会社にも、やはり月額20ドル以下をうたう安価なプランがある。
だが、Trump Mobileはプレスリリースで「我が国の最も勤勉な人々のために、トップクラスの接続性、比類のない価値、そしてアメリカらしいサービスを提供するよう設計された、変革をもたらす新しい携帯電話サービス」だと自画自賛している。
Trump Mobileのサービスとスマートフォンがアメリカ国民の人気を得るか否かはまだわからないが、もしこれが失敗したとしても、トランプ大統領の懐にはそれほど影響しない。
Trump Mobileのプレスリリースには「限定的なライセンス契約の条項に基づいて『Trump』の名前と商標を使用しており、当該契約は契約条件に従って終了または取り消される場合がある」と記されている。利用規約の文章は、格安携帯電話会社Liberty Mobileのそれをほぼコピペしたものであり、社名を変えただけだと報じられている。
トランプ・オーガニゼーションは実際の事業に直接はかかわらないものの、「Trump」の名をLiberty Mobileにライセンス提供して、そこから収益を得るしくみになっているようだ。
倫理的な問題と批判の声
Trump Mobileの発表は、トランプ大統領の最初の大統領選挙キャンペーン開始から10周年を記念して行われた。しかし、大統領の名前・知名度を利用したさまざまなビジネス展開には、利益相反による倫理的な問題があると指摘されている。

従来より、アメリカ大統領は利益相反を生み出さないようにするため、在任中は投資や金融などを含め、個人的利益にかかわる機会を自主的に避けることが期待されている。また、アメリカ合衆国憲法は、大統領がその地位を利用して利益を得ることを禁じている。
たとえば、ジミー・カーター元大統領は在任中、利益相反やその他の倫理的懸念を避けるため、当時所有していたピーナッツ農園をブラインド・トラスト(白紙委任信託)に出し、所有権は維持しつつも管理運営から身を引いていた。
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