「前回の“女子大生ワンピ”よりいい」石破首相夫人・佳子氏の“G7ファッション”が話題に…しかし《今回もふさわしくなかった》根本理由

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顔まわりに赤を用いる場合、その“強さ”の調整がカギとなる。特に自然光下では、鮮やかな赤は視線を強く引きつけすぎる傾向がある。柔らかな風合いやマットな質感の生地を選ぶことで、色に落ち着きと洗練を加えることが可能だ。

また、首元はやや見せることで視線の逃げ場が生まれ、全体の印象が軽やかになる。そして襟には立体感をもたせることで顔との距離も生まれ、肌映りも和らぐ。視線が集まりやすい首まわりに強色や装飾を集中させない工夫が、知性と落ち着きを感じさせるカギとなる。

「黒」は意外と難しいカラー

G7サミット開催2日目、佳子氏は黒のワンピースにシルバーのネックレスという簡潔で落ち着いた装いを選んだ。前日の鮮やかな赤から一転し、重厚さと静けさを感じさせるコーディネートではあったが、黒の面積が広く、体格や顔立ちとのバランスにおいてやや沈んだ印象も残った。

石破夫妻
シックな装いだったG7サミット2日目の佳子氏(画像:首相官邸公式サイトより)

黒は信頼や威厳を象徴する一方で、佳子氏のように華奢な体型の人物がまとうと「堅すぎる」「親しみに欠ける」と映ることがある。だからこそ、小柄な人が黒を着こなすには、黒の質感に奥行きをもたらし、全身の輪郭を引き立てるための細やかな設計が重要になる。

たとえば、光を受けて微細に表情を変える上質素材(ギラつきのない控えめな輝きのシルクやサテンなど)は、黒の印象を重く沈めず、むしろ上質な陰影として魅せる効果がある。

光の角度で模様が浮かび上がる、上質な織りのある生地(着物地のような)は、文化的背景と現代的感性を融合させ、小柄な体にも「沈まない黒」を成立させる力を持つ。

「黒を着ておけば無難」と思われがちだが、黒は万能ではない。素材・設計・ディテール――すべてが精緻に整ってはじめて、その人にふさわしい「重み」と「美しさ」を演出できる。単に黒をまとうのではなく、それをどう着こなすか。そこに、知性と美意識の質が問われている。

加えて、シルエットも重要だ。ウエストラインを高く見せる切り替えや、肩まわりに程よい張りをもたせたカッティングは、体の軸を明確にし、存在感を生む。細部にまで計算が行き届いた輪郭が、静けさの中に意志を宿す。

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