「床が油でギトギト」「メニュー表もベタベタ」…そんな店じゃダメだ! 『ラーメン屋の墓場』で店を繁盛させた若手店主、清潔さへのこだわり

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いつもは掃除をしないような場所のリストを使い、このリストの場所を1週間かけて掃除していく。

窓掃除から始まり、券売機の上・周り、調理台の下、椅子の脚、ゴミ箱の蓋に至るまで細かな部分まで1週間かけて綺麗にしていく。タオルの畳み方や置き方までちゃんと決まっている。

「⑨一斗缶置いてる台」「⑩額縁」「⑭ゴミ箱の蓋」など、働いているからこそ見落としやすい場所もしっかり掃除されている(筆者撮影)

さらに、有給で10分間の休憩を与え、その時間に必ずトイレをチェックしてもらうことも徹底している。従業員の数だけ10分ずつトイレチェックが入るので、必ずトイレが綺麗になる仕組みだ。

「こういうリストは作ることは簡単ですが、どう組織に落とし込むかが重要です。作っても誰もやらなければ意味がありません。お店の清掃は会社の文化と仕組みが大事です。常に同じ基準を持つ仲間と同じ時間を共有し、清掃を忘れない仕組みを作りました」(りゅう社長)

「掃除ができる人は細かい場所まで気がつく人」

照明も、少しのホコリもついていなかった(筆者撮影)

りゅう社長が清掃に人一倍気を配るのは、お店の清潔感を維持するためだけではない。「物を大事にする」という気持ちの表れでもある。

りゅう社長は小学校時代からサッカーに明け暮れ、その頃から「道具を大事にしなさい」と言い聞かされてきた。スパイクは穴が開くまで大事に履き、毎日のように磨いた。物を大事にするという精神は幼いころから磨かれていたのだ。

ひび割れたメニュー表、壊れた食器などを置きっぱなしにしているお店がよくあるが、りゅう社長はそれを認めない。こういったところからお店の美しさは失われていく。すべての道具に感謝をして、壊れないように大事に使う。そこから掃除は始まっている。

「掃除ができる人は細かい場所まで気がつく人です。これは味にもブランディングにも繋がっていきます。細部まで見える習慣がつく仕事が清掃です。飲食店は細かいことの積み重ねで成り立っていて、細かいことが観られる人ほど強くなると思っています」(りゅう社長)

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