エリオットが住友不動産への書簡を総会直前に公表!「しびれ」を切らして4つの問題点を指摘した策略と勝算

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エリオットが公開した書簡
エリオットが公開した書簡。これに対し住友不動産は「エリオットとは建設的な議論を進めていく」とコメントした(記者撮影)

「企業価値およびコーポレートガバナンス向上に向けた追加的施策が講じられない限り、株主総会において住友不動産経営陣に反対票を投じる」

6月8日、刺激的な文言から始まる書簡が公にされた。差出人はアメリカのアクティビストファンドのエリオット。いわく住友不動産(住友不)の株式を3%以上保有し、過去数カ月にわたって経営陣と対話を重ねてきたという。

近年、エリオットは日本株投資を拡大させてきた。その一例が、ソフトバンクグループに大日本印刷、三井不動産、住友商事、東京ガス。住友不もバリュー株投資の延長線上にあるかと思いきや、決定的に異なる点がある。エリオットが経営陣を批判する書簡を公表したのは、住友不が初めてだからだ。

久しく伏せていた「こわもて」の側面を、エリオットがこの局面でのぞかせたのには理由がある。

エリオットが指摘する4つの問題点

「とうとうしびれを切らしたようだ」。市場関係者はエリオットの行動に驚く。

書簡の中で、エリオットは住友不の課題を4つ指摘した。「低い配当性向」「過大な政策保有株」「ROE(自己資本利益率)目標値の不在」、そして「ガバナンスの不備」だ。

改善を迫るエリオットに対して「住友不も応じる姿勢を見せたが、予想以上に動きが遅い。やむなく公開書簡を通じてプレッシャーをかけにきた」(事情を知る関係者)。

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