また、事故などで通行止めを行う場合や、近年多くなった大雪や台風などによる予防的な通行止めなども、開始の際はここから情報が発信されるそうだ。
このセンターの前身は、日本道路公団時代の1972年に「高速道路東京第二管理局」として設置された施設で、度重なる拡充やリニューアルを経て、2016年に現在の形になったという。
災害等に備えて、管制センターの操作卓などの床は免震構造になっている。それでも万が一、施設の機能が停止した場合は、NEXCO東日本管内のほかの支社でバックアップの運用が行われるとのことである。
東海道・山陽・九州新幹線の指令所のバックアップが大阪にあるのと同様の備えである。

さらに屋上には、ヘリポートが設置されている。大規模な災害が起きたとき、東京都のヘリポートから飛んでくるヘリコプターにここからスタッフを乗せ、被災状況の確認をしたり、人員や物資を現地に輸送したりするために設けられているとのことである。
「施設を身近にしてほしい」と思う
見学を通して感じたのは、生活のインフラたる高速道路を支えるためには、それなりの人員と設備が必要であり、また開通から30年以上を経過した路線も増え、メンテナンスの必要性が高まっている今、こうした維持には一定のコストがかかるということである。
償還時期を過ぎても通行料が無料にならないことへの批判的な意見もあるが、高速道路の現状を見ると、税金だけでこうした巨大なシステムを維持することもまた難しいという気持ちも強くなる。
高速道路の恩恵は、日々利用するドライバー以外、あまり感じないかもしれないが、野菜や海産物などの生鮮食品、衣料や雑貨、あるいはタンクローリーなどが運ぶ燃料など、私たちの生活の多くが物流によって成り立っていることを改めて強く実感する。

航空や鉄道の博物館のような、「道路博物館」の建設が難しいとしたら、こうした施設がもう少し身近にあって見学するチャンスが増えるといいのに……、という思いを強くした取材であった。
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