東海道・山陽・九州新幹線の運行をつかさどる「新幹線総合指令所」も、東京にあることは知られているものの、その正確な場所は公開されていない。
何かと物騒なご時世、セキュリティの面でもあえて運行の中枢の場所を明かす必要がないというのはよく理解できる。
こうした事情も含め、今回「取材」させていただいたセンターの情報は、場所そのものも含め、一定の制約の下で書いていることをお断りさせていただく。
圧巻のコントロールルーム
道路管制センターには、センターの業務を紹介する動画を観るスペースや、高速道路の路側に設置されている緊急電話をかける体験ができる施設などがある。
しかし、何よりも圧巻なのは、道路状況をリアルタイムで監視するコントロールルームだ。

ここには2台の巨大なディスプレイがあり、ひとつは首都圏を中心とした関東支社管内の道路状況を表示するもの。もうひとつは、管内のトンネルを監視する無人カメラを複数映すもので、それぞれ横幅17m×高さ5.5m、幅9.7m×高さ2.7mもある。

そして、このコントロールルームでは、画面の監視と各所への連絡等を担う総勢30名近いスタッフが忙しく立ち働いている。
これに似た(ような)シーンはテレビドラマなどで見た記憶はあるが、実際の現場を目にすると、緊張感が伝わってくる。
ディスプレイには渋滞や速度規制、事故や非常電話の着信箇所などの情報はもちろんのこと、昨今社会問題化している逆走情報も表示されるようになっていた。

高速道路に表示される渋滞、速度規制、気象などの表示板の内容も、ここから指示が出されるし、テレビやラジオの道路情報もここで集められた内容が放送される。
ただし、テレビ・ラジオ放送で情報を伝える担当者は、ここではなくJARTIC(日本道路交通情報センター)の九段センターから伝えているそうだ。
いただいた資料によれば、2023年度にこの管制センターで取り扱った「異常事象」はおよそ10万4200件。うち45%が路上障害物、33%が故障車によるもので、これだけで8割近くを占める。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら