【おかわり自由】簡単で美味しい”お弁当の味方"の工場見学で見えた石井食品、創業80年の信念

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一般的に、でんぷんを使ったソースを冷蔵すると固くなります。それでも適切なとろみを保っているのは、でんぷんの種類や配合、温度・時間管理などが緻密に計算されているからです。経験と感覚が非常に重要となり、熟練社員が若手社員に技術を継承しています」(池田さん)

”やさしい味”につながる企業努力

一方で、生産効率を高めるために機械化も進められている。たとえば段ボールの組み立てはかつて手作業だったが、機械化によって大幅な効率化を実現。

また、同時に段ボールの印字を黒一色に統一にしたことにより、資材のコストダウンにもつながった。

実は石井食品は、過去10年間でミートボールの価格改定をわずか2回しかしていない。

原材料へのこだわりを保ちつつ、手間や工数、価格、おいしさのバランスをとりながら、こうした資材コスト削減などをしている。

働き方に関する部分も改善を重ねてきた。以前は「その日のうちにすべて終えなければならない」という考えから、残業や休日出勤が見られていた。

1946年当時石井食品の佃煮製造の様子
1946年当時石井食品の佃煮製造の様子(写真:石井食品提供)

現在は、ロット切り替えの調整や従業員の出勤予定に合わせた生産計画、販売予測の可視化などを進め、全社をあげて労働環境の改善に取り組んでいる。

その結果、近年は大幅な残業削減につながり、働き方が変化しているという。

また、石井食品には、親子2世代で勤務する社員が約10組、なかには3世代にわたって働く例もあるという。勤続年数の平均は15.4年(2024年3月末時点)、平均年齢は43.3歳と、長く働く人が多い職場だ。

育児や介護で一度職場を離れた人が戻ってきたり、両立できる範囲で働けるように調整したりと、柔軟な対応も行われている。

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