「筋力」「瞬発力」「筋持久力」…体力は“8つの要素”に分けられる。加齢と共に最も落ちやすいのは?≪自分史上最高の動ける体≫は何歳でも可能!

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階段の代わりにエスカレーターを使う、歩く代わりにタクシーを使う、店まで行く代わりにネットショッピングを使う……。でも、この「なるべく疲れない選択をする生活」が、さらなる体力低下を招く悪循環を生んでいるのです。

ところで、あなたは「体力が落ちてきた」という言葉を使うとき、どんな場面を想像していますか。じつは私たち専門家は、体力を次の8つの要素に分けて考えています。

「体力」には8つの要素がある

(イラスト/中村知史)
(イラスト/中村知史)
①筋力:重い物を動かす力です。荷物を持ち上げたり、重い扉を開けたりするときに使います。
②瞬発力:素早く力を出す能力です。ダッシュしたり、ジャンプしたりするときの力がこれにあたります。
③筋持久力:同じ部分を動かし続ける能力です。長時間の家事や作業に必要です。
④柔軟性:身体の柔らかさ、関節の動く範囲のことです。立ったまま床のものを拾ったり、高いところに手を伸ばしたりするときに必要な能力です。
⑤全身持久力:長時間の運動に耐える力です。息切れしにくさと言い換えてもいいでしょう。
⑥敏捷性:素早く方向転換したり、急に止まったりする能力です。人混みを歩くときや、咄嗟の動きが必要な場面で使います。
⑦巧緻性:細かい動きをコントロールする能力です。箸を使うときや、ボタンを留めるときなどに必要です。
⑧バランス感覚:身体のバランスを保つ力です。片足で立ったり、でこぼこ道を歩いたりするときに使います。

この視点で見ていくと、年齢を重ねたことで体力を構成する8つの要素すべてが落ちている人はあまりいません。若い頃から今にいたる生活によって、落ちていった体力、維持できている体力があり、なかには20代よりも50代のほうが向上している体力があるのです。

1つ目の通説「年を取ると体力が落ちる」の真偽を確かめるため、多くの中高年の8つの体力がどのような傾向にあるかを見てみましょう。

私はフィジカルコーチとして、パーソナルジムの他に、さまざまな業界団体や企業の集まりで健康増進のためのセミナーを指導することがあります。

こうした現場を通じて見聞きしてきた、中高年の人たちの言う「体力が落ちた」は、8つのうちのどの体力を意識しての言葉かというと、主に「全身持久力」の低下です。

小走りをした後、階段を上がった後の息切れ、長距離を歩いた日の身体の重たさなど、若い頃には感じなかったしんどさ。この感覚は日常生活の中で感じるわかりやすい変化です。

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