「筋力」「瞬発力」「筋持久力」…体力は“8つの要素”に分けられる。加齢と共に最も落ちやすいのは?≪自分史上最高の動ける体≫は何歳でも可能!

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でも、日頃からウォーキングやジョギングをしている人は、中高年になっても「全身持久力」は下がりません。ただし、ジョギングをしているから体力が低下していないというわけではないのです。8つのすべての体力が維持できているかというと、そうではないのが難しいところ。

「自分は日頃から身体を動かしているから」と健康に自信のある人も、気づかないうちに他の能力は低下している可能性があります。

認識している体力低下と、身体に起きている体力低下には違いがある

たとえば、手先を使う細かい作業が苦手になってきていたら「巧緻性」の低下かもしれませんし、お子さんや甥っ子、姪っ子、お孫さんと公園で遊んでいて遊具の上に立つと身体がぐらぐらするなら「バランス感覚」が落ちているのかもしれません。

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また、筋トレは欠かさずやっているのに、ふとした日常動作で肩や腰を痛めることがありますが、これは「柔軟性」が低下しているからかも。

筋トレは、①の筋力、②の瞬発力、③の筋持久力を向上させますが、この3つはいずれも筋肉をギュッと縮ませる能力。柔軟性は逆で、筋肉を伸ばせる能力です。

運動習慣がある人もない人も、柔軟性が低下してきたことに対して「体力が落ちてきた」とは言いません。

しかし、年齢を重ねながら何も対処していないと最も落ちやすいのが柔軟性です。そして、筋肉が伸びにくくなると可動域が狭くなり、それは怪我につながります。

これは深刻なレベルでの体力低下ですが、なかなか自覚しにくいのです。

でも、知識があれば対処できます。たとえば、筋トレと並行してストレッチを意識的に行なうようになれば、柔軟性は少しずつ向上しますから、中高年になっても若々しくて体力のある身体を維持できるわけです。

本人が認識している体力低下と実際に身体の中で起きている体力低下に違いがあること、1つひとつの体力の要素は何歳からでも対処次第で向上させることができることを頭の片隅に残しておいてください。

加えてここで強調してお伝えしておきたいのは、8つの体力の変化は必ずしも「年齢」と関係しているわけではないことです。しつこいようですが大事なことなので繰り返し言いますね。体力低下の主な原因は「やらなくなったこと」にあります。年齢を重ねるにつれて、知らず知らずのうちに身体を動かす機会が減っているだけなのです。

これは希望のある話で、使わずにいて低下しているものは、意識して使うようにすると向上します。つまり、年を取ったから体力が落ちたわけではないのです。

清水 忍 トレーニングジムIPFヘッドトレーナー

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しみず しのぶ / Shinobu Shimizu

アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP)、健康運動指導士。1967年、群馬県生まれ。大手フィットネスクラブ勤務後、スポーツトレーナー養成学校講師を経て独立。「なぜ」を追求するロジカルな指導で、メジャーリーガー・菊池雄星投手らプロアスリートのパーソナルトレーナーとして絶大な人気を誇る。NESTA JAPANエリアマネージャー、菊池投手プロデュースの野球複合型施設「King of the Hill」プログラムアドバイザー。健保組合の糖尿病対策セミナーの指導者、スポーツ・医療系専門学校の非常勤講師としても活動。「Tarzan」監修など多くのメディアで活躍中。著書・監修書多数。

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