「自分はめちゃ嬉しいという感じではなく、ようやく終わったなという感じでしたが、両親は泣いて喜んでくれました。合格して時間が経ってから、喜びはじわじわ感じてきました」
「自分なら大丈夫」と思えるように
こうして5浪で受験生活を終えたIさんは現在、京都府立医科大学医学部の5年生。現在はアメブロで自身の受験生活について綴ったり、京都の塾のアルバイトで、受験生を中心に多浪されている生徒さんも含めて教えているそうです。
浪人して良かったことを聞くと、「医学部に合格したこと」「限界まで頑張れることを知れたこと」、頑張れた理由については、「一回きりの人生を悔いなく生きたかったから」と答えてくれました。
「留年せずに上級生まで進みましたが、大学の試験のときも『しんどいな』とか『この試験ほんまに受かるんかな』とか思っても、『自分なら大丈夫やろ』と心の中で思えるようになりました。自分は3浪以降、周囲が医学部の2~3年生になっているのに高校生の勉強をまだしていることがメンタル的につらかったです。
ですが、そこで人間が『つらい』と思うときは、周りと比較してそう感じるのがほとんどだと気づきました。それで自分と周りを切り離して考えられるようになったから、私生活でつらいと思うことが今はないのがありがたいですね。浪人してるから、そう思えるようになったんだと思います」
「国家試験の勉強もそろそろやらないといけない段階ですが、ちゃんとやれば大丈夫かなという自信があるので、5浪した経験が生きていると思います。5浪よりつらいことは、ないかなと思います」と語ったIさん。
浪人を通して、周囲との比較をしなくなり、自分に自信を持てた彼はきっと、つらい人の気持ちがわかる医師になるのだろうと思いました。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら