70歳以上は死亡率2倍の指摘も!就寝後トイレに2回起きる人は要注意「夜間頻尿」の怖さと対策
睡眠障害も夜間頻尿を引き起こします。シニア世代は夜中に目が覚める中途覚醒がよく見られるようになり、眠りが浅くなると尿意のせいで目が覚めたと錯覚し、何度もトイレに行くうちに膀胱が尿をためられなくなります。毎日同じ時刻に起きて朝日を浴びる、運動習慣をつける、昼寝をしすぎないといった生活リズムの改善、寝やすい寝室・寝具を試すなど、眠りの質を高める対策をしましょう。
高血圧や糖尿病にかかり、降圧剤や血糖値を下げる薬を処方・服用している人は、薬の見直しで夜間頻尿を抑えられるケースがあります。こういった薬には夜間の尿量を増やすものがあるからです。代表的な薬が高血圧に用いられるアムロジピン製剤(商品名:アムロジン)といったカルシウム拮抗薬です。ただし治療薬の服用を独断でやめるのは絶対に避け、必ず主治医に相談してください。
膀胱訓練を試してみる
膀胱の柔軟性が失われ、尿を十分にためられず夜間頻尿になっている場合は、「膀胱訓練」を試してみてください。これは、尿意が起きたときに意識して尿道を締め、尿意を我慢することで膀胱内に尿をためられるようにするトレーニングのこと。加えて、肛門などを締める動作により骨盤底筋が収縮すると、膀胱の過度な収縮が抑えられ尿意が弱まります。
尿意を覚えたらすぐ排尿するのではなく、肛門などを締めて少し我慢すると、より効果が期待できます。ただし、膀胱炎や前立腺肥大症があると、我慢することで症状が悪化する可能性があり、行ってはいけません。
ここで挙げた対策を実践しても症状が変わらないようなら、迷わず泌尿器科にかかってください。治療薬や漢方薬で改善することもあります。当院の場合、先述した多尿もしくは膀胱がためられなくなっているのか見極めたうえで適切な治療を行い、生活改善も提案します。すぐよくなるケースもあるので、専門医の助けを借りることです。
夜間頻尿は睡眠の質を下げ、仕事のパフォーマンスや健康の維持にも悪影響を及ぼします。心当たりがあるなら、まずは生活改善から始めましょう。生命に関わるからこそ甘く見ることなく、早期の改善に取り組んでください。
(構成:大正谷成晴)
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