小田急線、世田谷代田駅の「知られざる地下空間」 ドラマで脚光浴びた駅に残る“難工事の痕跡”

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世田谷代田駅は1927年4月1日、小田原急行鉄道が新宿―小田原間を一挙に開業させた際に設置された。開業時は世田ヶ谷中原駅といい、第2次世界大戦後の1946年、現駅名に改称された。

駅の西側には環状七号線(環七)が南北に通る。環七を北へ向かうと京王井の頭線、京王線と交わる。それぞれ新代田駅、代田橋駅が置かれていて環七沿線には「代田」が付く駅名が3つあることになる。

大戦末期から戦後しばらくの間は、井の頭線に車両を送り込むための線路「代田連絡線」が敷かれていた。現在、その遺構はほぼ失われているが、世田谷代田駅北側の駐輪場付近の通路に描かれた線路のデザインはこの代田連絡線を模したものだという。

世田谷代田 コンコース
天井の丸い窓から自然光が差し込む地上階の改札内コンコース(記者撮影)

地下のホームなのに自然光

現在は1番ホームに小田原・片瀬江ノ島方面、2番ホームに新宿・千代田線方面の電車が発着する。

ホーム階のエレベーター付近に、ひときわ明るい一角があるが、これは人工的な照明ではなく、地上から鏡の反射を利用して地下深くまで太陽光を採り入れた「光ダクト」。また、一部のエアコンは熱を伝えるホースを地中に埋め込んだ「地中熱ヒートポンプシステム」を活用した。

世田谷代田 ホーム
ホームにあるエレベーターの前を明るく照らすのは地上から採り入れた自然光(記者撮影)
【写真をもっと見る】ホームは地下深くにあるが地上の自然光がスポットライトのように照らす場所がある。地上の東口改札は一見、入り口がわからない上級者向け?
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