小田急線、世田谷代田駅の「知られざる地下空間」 ドラマで脚光浴びた駅に残る“難工事の痕跡”

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ここはかつて世田谷代田駅の仮設ホームがあった空間。同駅は、東京都の連続立体交差事業と一体になった小田急の複々線化プロジェクトの工事が最後に完成した区間にある。

付近の地下は2層構造になっている。隣の下北沢駅と併せて見るとわかりやすい。特急以外のすべての種別が停まる下北沢駅は、地下2階が急行線、地下1階が緩行線のホームとなっている。

快速急行や急行が発着する地下2階はシールド工法のため壁が円弧を描いており、各駅停車や千代田線直通列車が発着する地下1階は開削工法のため箱型、という見た目の違いもある。

2013年、まず連続立体交差事業によって線路が地下化され、地上から踏切が姿を消した。その後も複々線化事業の工事は続く。工事中、下北沢駅と世田谷代田駅ではすべての列車が急行線を通っており、世田谷代田駅のホームは仮設だった。

東京都・小田急電鉄などの資料を基に東洋経済作成

2018年3月の複々線の完成で、各駅停車と千代田線直通列車は地下1階の緩行線に移った。下北沢駅では地下2階に急行線ホームが残ったが、各駅停車しか停まらない世田谷代田の仮設ホームは役目を終え、上の階に新しくできた緩行線のホームのみが使用されている。複々線区間にあるのに目にすることができるのは緩行線だけだ。

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地下深くを電車が行き交う

関係者以外立ち入ることができない世田谷代田駅の地下深く、「この先線路のため立入禁止」との注意書きがある扉の向こうは、かつて仮設ホームがあった急行線。暗いトンネルの中を特急や急行が高速で通り過ぎていく。

世田谷代田 急行線
上り方面の急行線をロマンスカー・EXEαが通過する(記者撮影)
【写真】関係者でも滅多に入る機会がない"急行線階”を独占取材。バックヤードの地下深く「この先線路のため立入禁止」と書かれた扉の向こう側には……
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