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「ロボットなのに気を遣っちゃう」「自然とありがとうって言っちゃう」との声も…。ガスト「猫ロボット」が我々日本人に刺さる理由

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  • 谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家
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この「かわいい」への独特の訴求の仕方が、ここまで自然にガストの「猫ロボ」を普及させた理由ではないだろうか。

「ガストフィットメニュー」なども話題になったガスト。ファミレス業界は縮小の傾向にあるものの、新たな取り組みや文化は生まれている(筆者撮影)

DXは楽しいものにもなるはずだ

インフレの進行や人手不足によって、各所でDX化が叫ばれている。ただ、どうしても「ロボット=完璧」というようなイメージがあり、DX化が進むと「食事の場が無味乾燥になるのでは?」とか「ディストピアか?」などと言われたりする。

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昨今、話題が絶えないAIの完全無欠なイメージも相まって、そうした印象はどんどんと広がっているようだ。

ただ、実際の飲食の現場を見ていると、必ずしもそのような「無味乾燥」なだけのDXが広がっているわけではないと思わされる。

例えばスシローが提供する「デジロー」。デジタルモニターに表示される寿司をタップして注文したり、子供用のゲームで遊べたりする。導入店で客単価上昇などの効果があり、全国に導入店舗が広がるという。これなども「楽しいDX」だろう。

AIやDX分野で多くの著書を持つ、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授の石角友愛氏は『いまこそ知りたいDX戦略 自社のコアを再定義し、デジタル化する』の中で「DXとは、オペレーションをデジタル化することや、デジタルツールを導入することではない」と言い、その本質は「『会社にとってのコア』を再定義し、それをデジタル化すること」だと書く。

本来あるべきDX化とは、顧客への価値となるその会社の「核心(コア)」を見極め、それに通ずる部分をデジタル化し、その会社の価値を高めるべきだというのだ。

だとすれば、望ましいDXは単に「無味乾燥」なだけではなく、顧客にとっても楽しいものになるはずだ。

人口減少が進み、働き手が少なくなっていくのは厳然たる事実。そんな中、このような楽しいDXが広がっていけば、日本の未来も少しは楽しいものになるかもしれない。

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