「地震危険度は都内No.1」「強面の不動産屋が集金で"生存確認"」…スカイツリーのふもとにある「人情が厚すぎる街」が持つ"謎の魅力"

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長屋はセーフティネットでもある

「京島に越してきてすぐは、私も長屋に住んでいました。隣の家と壁一枚でつながっているから、テレビの音なんかもよく聞こえるんです。

隣にはおばあさんが住んでいたんだけど、毎日夜の9時になったらテレビを消して、明かりを消して寝る。

ある日、私は仕事で遅くなって夜の11時くらいに帰ってきたんです。そしたら、隣の家のテレビも明かりも点いている。いつもは寝ている時間なんです。

普段は寝る前に閉めている通りに面したカーテンも開いていて、引き戸を開けたらおばあさんが倒れていました。慌てて救急車を呼びましたよ」(紙田さん)

これぞ長屋の付き合いだ。「私に同じことが起こっても、近所の人がなんとかしてくれる。そんな安心感がこの街にはありますね」と紙田さんは笑う。

【画像16枚】スカイツリーの足元にある「京島」。都内でもほぼ無名の街だが、人情と歴史、味わいある店が多く存在する

人情なんて、目に見えないし数字にもできない。けれど、この街を歩いていると、そこかしこで人のぬくもりが顔を出す。便利さや華やかさでは測れない「住みやすさ」が、たしかにここにはある。京島は、そんな“住むと、ちょっといい街”なのである。

【もっと読む】「タワマン住みの"新住民"は町内会に入らない。でも、祭りには来る」…。タワマンの聖地・武蔵小杉、激変した街に"旧住民たち"が語ること では、タワマンの街・武蔵小杉を街に詳しいライターの末並俊司さんが探訪、詳細に解説している。
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末並 俊司 ライター

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すえなみ・しゅんじ / Shunji Suenami

福岡県生まれ。93年日本大学芸術学部を卒業後、テレビ番組制作会社に所属。09年からライターとして活動開始。両親の自宅介護をキッカケに介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)修了。現在、『週刊ポスト』を中心として取材・執筆を行っている。

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