「声優人気」の光と影 アニメ”大ブーム”で露出増加の一方、”週刊誌報道の標的”にも 

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それが昨今のアニメブームを経た今、お茶の間で通じる「あの作品のあのキャラ」の幅が広がったことにより、人気トークバラエティの『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)での「声優祭り」をはじめ、幅広いキャリアの方々の出演機会が増えていったのです。

テレビ番組などでの露出が増え、個々のポテンシャルや人気、SNSでの反響の大きさが知れ渡ることで、メディアや世間一般の声優への認識も大きく変わりました。こうして、これまでアニメファン以外にはなかなか知られてこなかった声優の魅力に世間が気づいたことこそが、ここ5年ほどの声優人気の正体でもあるのです。

そしてこの世間の認識の変化に伴い、声優の活躍の場やお仕事の内容も、大きく広がっていくことになります。

アニメ人気が高まっている
『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』、『東京リベンジャーズ』といった人気作品が、近年のアニメブームを牽引してきた。それに伴い、声優の活躍の場も広がっている(筆者撮影)

声優人気の光:拡大する活躍の場と高まる注目度

アフレコ以外だと、たとえばライブや舞台での活躍を想像する人が多いかもしれませんが、この10年ほどで、声優の活動の場は意外な場所にまで広がりました。

今では、野球の始球式や場内アナウンスをはじめ、自治体の観光大使やアパレルブランドのプロデュース、警察や消防署の一日署長を務めることさえあります。

なかでも世間への影響力が最も強かったのは、ここ5年ほどで大きく増えた顔出しでのテレビ出演です。ドラマ『半沢直樹』への出演や『おげんさんといっしょ』で活躍した人気声優の宮野真守さんをはじめ、最近では『呪術廻戦』の七海建人役などでもお馴染みの津田健次郎さんがフジテレビのドキュメンタリードラマで初主演を飾ったことも話題になりました。

また、おそらく読者の方々が一番目にする機会が増えているのは、朝ドラや大河ドラマでの、声優出演に関するニュースではないでしょうか。今期の『あんぱん』や『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』でもそうですが、その注目度は今や出演決定時だけでなく、声優の方々の登場回にも改めて報道が行われるほどです。

実をいうと、声優の中には舞台でお芝居をした経験のある方も多く、実写ドラマに出演すること自体は今に始まったことではありません。この約5年で一番変わったのは、そうした声優の方々のドラマ出演などが、その都度“ニュースになるようになった”ことです。

その理由としては、声優関連の話題がSNSと相性が良いことも考えられます。ファン側からすると思うところもありますが、実際に声優関連の話題がSNSを活発に利用するアニメファンの拡散でトレンド入りやPV数上昇につながりやすいことも確かです。

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