東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #トランプのアメリカ トランプの世界

緊縮財政ドイツとかつての放漫財政国ギリシャ・イタリアの金利が接近…共同債でまかなう「欧州再軍備」は「通貨も財政も統合」の理想への一歩

7分で読める 有料会員限定
  • 唐鎌 大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
2/4 PAGES

厳密にはEUとして安全保障・防衛パートナーシップを締結した加盟国、他の候補国および潜在的な候補国、その他の第三国にも可能性は開かれているが、基本的には域内で使用される防衛支出が拡大するという話である。

これまで安定・成長協定(SGP)の制約下で拡張財政路線が温存されていた経緯を踏まえれば、EUの潜在成長率がSAFEで押し上げられる期待は当然ある。

危機が結びつきを強めてきた

アメリカの初代財務長官であるアレキサンダー・ハミルトンが各州の債務共通化(財政統合)に奔走し、今日の米ドルの礎を作ったことにちなんで、財政統合による合衆国誕生の瞬間を「ハミルトン・モーメント」と呼ぶことがある。

EUでは2021年5月、パンデミック後の復興のため、総額7500億ユーロの共同債券(以下NGEU債)発行を通じた資金調達が法的に可能となった。このNGEU債が、欧州版のハミルトン・モーメントに発展するのか。当時の本欄では大いに注目した経緯がある。

もちろん、NGEU債の初回発行からまだ4年程度しか経過しておらず、発行計画は2026年まで続くため、それがEU統合をもたらす触媒になったのかどうかはまだ判断できない。

しかし、パンデミックがそうした大きな歩みを可能にしたのと同様、今回の再軍備も同じような効果が期待されるところである。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象