政党支持率は10.2%→6.8%へ急落、立憲民主党に逆転を許した国民民主党が気づいていない「失敗の本質」

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岡野純子氏のパワハラ問題や、平岩征樹氏の身元を偽った前代未聞の不倫事件のほか、丹野みどり氏には週刊誌による秘書へのパワハラ報道に加えてペロブスカイト太陽電池をめぐる経済安全保障上の疑惑も発生している。なお比例復活当選の平岩氏には、議員辞職を求めずに離党を許し、党としての責任を放棄した。

国民民主党が最も留意すべきは党のガバナンスの維持であり、候補者選定で人物眼を光らせることだった。とりわけ党が急速に拡大しようというときには、まずは問題を起こさないこと、そして“悪目立ち”しない候補を選ぶ必要がある。それは「議員としての経験」よりも重視されるべき属性であるはずだが、その意味で国民民主党は“おきて破り”を行ったといえる。

「4人衆」公認の裏でささやかれる“陰謀論”

何よりの問題は、候補者選定に“私情”を入れてはならず、党内でのコンセンサスを得る必要があったのに、それができなかった点だ。山尾氏も足立氏も、いったんは党内で公認を拒否された。にもかかわらず、先月14日に「4人衆」として公認内定がまとめて発表された。

その理由について、ある関係者は「山尾氏も足立氏も、玉木代表が無理やり入れた。だからこそ、問題をはらむ候補を複数同時に公認内定することで世間の批判を招き、彼らに自発的に公認を辞退させようと一部の執行部が画策した」と述べている。

ところが、その思惑はまるっきり外れ、せっかく上向きになった党勢は悪化する一途。JNNの調査はそのプレリュード(前奏曲)にすぎないとみるべきだ。

「数字は上下するものだ」などと楽観視していても、状況の悪化は止められない。そもそもポイント・オブ・ノーリターンを超えたことは、玉木氏の「エサ米」発言が騒動になったことでもうかがえる。党が上昇気流に乗っていた頃なら、この発言はここまで炎上しなかったはずだ。

国民民主党は支援者との距離の近さが強みだったが、それも今回は裏目に出たようだ。同党支持者は「政策重視」を標榜しているが、実際にひかれているのは小政党ゆえの政治家との親近感だろう。それが「4人衆」を加えることで大きく変化しかねないという危惧を、多くの支持者は本能的に抱いている。

そうした声を聴き入れなかったのは、政治家の“おごり”にほかならない。たとえ山尾氏が涙の会見を開こうとも、愛想笑いを浮かべて弁明しようとも、そうした“汚点”を払拭できる保証はない。国民民主党はいったいどこまで堕ちていくのか。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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