政党支持率は10.2%→6.8%へ急落、立憲民主党に逆転を許した国民民主党が気づいていない「失敗の本質」

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もしかしたら、山尾氏は一部の組織内候補の得票数を上回るかもしれない。今年2月の千葉県知事選で、県内でほとんど活動しなかったNHK党の立花孝志氏の例がある。

立花氏は昨年の東京都知事選で「ポスター枠の販売問題」が物議を醸したうえ、11月の兵庫県知事選に出馬して「2馬力選挙」(当選の意思のない候補者が他の候補者の当選を目的として立候補すること)を展開。千葉県知事選にも出馬し、「当選することを目指さない」と公言したが、県内だけで7万9060票も獲得した。

ちなみに2022年の参院選比例区で、国民民主党内で次点だった電機連合の矢田稚子氏の得票数は15万9929票だった。山尾氏がそれを上回る可能性もゼロではない。だからどんなに批判されようと、山尾氏は動じないのだろう。

山尾氏が答えたインタビュー内容の論理矛盾

もっとも、山尾氏は会見を行っていなかったものの、個別取材には応じてきた。5月20日に配信された「Japan In-depth」のインタビュー動画に登場し、「全国の方に自分がやりたいこと、やってきたことをどう届けるのかというのは、ものすごい高い高い、本当に雲をつかむような挑戦だ」と意気込んだ。

また6月3日の産経新聞のインタビュー記事では、「国会議員として再起を期するにあたり、反省のうえの覚悟を行動で示したい」と語っている。

しかし、これらで「十分な説明」とは誰も思うはずがない。「自分の都合のいいメディアを選んでいるのではないか」との疑念すら募った。

産経新聞のインタビューでは、国民民主党の支持率低下について「(自分が)一因を担っているのは確かだ」と認め、「それでも国民民主を国政政党として支えていく資格をいただければ、(中略)仕事でしっかり貢献したい」と殊勝に述べている。だが、党への貢献どころか、山尾氏の存在自体が国民民主党の足を引っ張っているのが現状だ。

そして、ついに6月4日、山尾氏は会見を開く決意を表明した。きっかけは、その前日に民主党の2009年初当選組の同期会があり、励ましを受けたことだったという。

だが、それで国民の抱く疑念は払拭できるのか。国民民主党が山尾氏を含む「4人衆」を参院比例区にノミネートしたのは、昨年10月の衆院選で新人議員が大きく増えたが、「即戦力」に欠けていたためとされた。そして、政策能力以前の問題が相次ぐことになったのだ。

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