「シンプルに凄い」「どういう了見か」 "電撃訪ロ"に飛び交う臆測、《昭恵外交》が生む複雑怪奇な政治状況

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ここにきて同県では、衆参各選挙区で「林 vs. 安倍・岸家」の“山口戦争”が続いており、「次期首相の有力候補とされる林氏に対する昭恵夫人の牽制」(関係者)とも見えるからだ。

いずれにしても、これまで石破首相の米ロ両大統領との直接会談は実現していない。そのため、外交関係者の間では「両大統領と親密な関係を築いて国際社会で高く評価された『安倍外交』の“遺産”を引き継ぐ昭恵夫人の外交的存在感は、今後も国内外で注目され、日本政府が対アメリカ・ロシア外交を展開する際の貴重なパズルのピースとなりうる」との声も出ている。

そもそも、今回の昭恵夫人とプーチン大統領との面会は、ロシア大統領府の映像公開で明らかになったものだ。その映像によると、面会の際、部屋で待ち構えていたプーチン大統領が、自ら昭恵夫人に大きな花束を渡している。

就任以来、ほとんどの外国首脳との会談で、相手を長時間待たせる外交手法を駆使してきたプーチン氏だけに、「いかに昭恵夫人との面会を重要視していたかがわかる」(ロシア外交専門家)との声も出る。

映像では、プーチン大統領は安倍氏の首相在任中に27回会談したことを振り返り、「ロシアと日本の協力発展に果たした(安倍氏の)貢献を忘れることはない」と昭恵夫人に語りかけ、プーチン大統領の言葉に昭恵夫人が涙ぐむ様子も伝えられた。

さらに面会後には、昭恵夫人はプーチン氏が用意した大統領専用の高級リムジンで、バレエ鑑賞のためにボリショイ劇場に移動。その車内での昭恵夫人の表情も公開されるなど、「まさに異例ずくめの接遇」(同)だったことは間違いない。 

トランプ夫妻との食事でスポットライト

今回の昭恵夫人のロシア訪問をメディアなどが大きく取り上げたのは、「昨年12月のトランプ夫妻との親し気な会食で、“昭恵外交”にスポットライトが当たり始めた」(外交評論家)からだ。

「昭恵外交」が注目され始めたきっかけは、昨年12月のトランプ夫妻との会食だった(写真:メラニア夫人<@MELANIATRUMP>のXより)

昭恵夫人自身は当時も自身のXに「大統領就任後はなかなかお会いすることもできないと思ったので、できれば一言お礼とお祝いを言うためにお会いしたいとお願いしたところ夕食会にお招きいただきました」と書き込み、「To Akie, With love」と手書きされたメラニア夫人のネームカードの写真をアップするなど、はしゃぎぶりが目立った。

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